口絵・発刊に当たって・目次


底本の書名    香川の文学散歩 (3p~9p)
 底本の著作名   「香川の文学散歩」編集委員会
 底本の発行者   香川県高等学校国語教育研究会
 底本の発行日   平成四年二月一日 
入力者名     田上八重子 
校正者名     平松伝造
入力に関する注記
       文字コードにない文字は『大漢和辞典』(諸橋轍次著 大修館書店刊)の
       文字番号を付した。

登録日   2005年5月17日
      


  香川の文学風景(一)-小豆島-

『二十四の瞳』分教場 壺井栄の名作『二十四の瞳』の
 岬の分教場、今もあどけない瞳の子供たちと出会える。
尾崎放哉句碑 「入れものが無い両手で受ける」漂泊の
 俳人尾崎放哉の代表句も碑文が黒ずみ読みとりにくい。
応神天皇船繋松跡 応神天皇の二二年秋、小豆島に遊行
 された天皇が船をつないだ松の木があったといわれる。

(#写真が入る)
『二十四の瞳』分教場(内海町田浦・映画村)

(#写真が入る)
尾崎放哉句碑(土庄町本町)

(#写真が入る)
応神天皇船繋松跡(土庄町渕崎)



  香川の文学風景(二)-東讃・高松-

猪熊邸 江戸初期の建築様式をもよく残し、秘蔵品も約
 三〇〇点、国宝の『肥前風土記』も保存されている。
菊池寛の銅像 戯曲『父帰る』など多くの名作を残した
 菊池寛の生家近くの中央公園に一九五六年建立された。
源頼重家集と英公外記 高松藩祖松平頼重の三一歳まで
 の和文集と高松藩内の出来事が詳述されている。

(#写真が入る)
猪熊邸(大川郡白鳥町松原)

(#写真が入る)
菊池寛の銅像
(高松市番町)

(#写真が入る)
源頼重家集(左)と英公外記(右)
  写本・松平公益会蔵(高松市玉藻町)



  香川の文学風景(三)-中讃-

雲井御所跡 崇徳上皇は一一五六年、松山館に入り、そ
 の後、三年間を過ごされたのがこの地であるという。
呑象楼 象頭山を呑むという名のこの建物には幕末の志
 士達が身を隠した。勤王の日柳燕石晩年の住居である。
『愛恋無限』の文学碑 中河与一の長編『愛恋無限』の
 終結部の舞台・沙弥島の松林にひっそり建っている。

(#写真が入る)
雲井御所跡(坂出市林田町)

(#写真が入る)
呑象楼(仲多度郡琴平町榎井)

(#写真が入る)
『愛恋無限』の文学碑(坂出市沙弥島)



  香川の文学風景(四)-西讃-

一夜庵 興昌寺の境内にあり、俳諧の始祖とされている
 山崎宗鑑が二六年間住み、終焉を迎えたといわれる。
西行歌碑 「しきわたす月の氷とうたかひてひびのてま
 はる味のむら鳥」 旧吉津小学校跡にある。
宗良親王遺跡 『新葉和歌集』の選者である宗良親王が
 北条氏討伐に関与し流寓されたと伝えられている。

(#写真が入る)
一夜庵(観音寺市八幡町)

(#写真が入る)
西行歌碑(三豊郡三野町)

(#写真が入る)
宗良親王遺跡
(三豊郡詫間町王屋敷)



   発刊に当たって

 人がどのように考え、どのように生きてきたか、文学作品は、そうしたことを知り、味わい、心
の糧としていくよすがとなるものです。
 いま、世の中は大きく揺れ動いており、「物の豊かさ」から「心の豊かさ」へと精神的な充実を
求める声が高くなってきております。また、あらゆる世代にわたって多様な方面での学ぶことの大
切さが認識されてきて、生涯学習の輪がひろがりつつあります。そうした中で、文学を中心とした
郷土文化への志向・関心も高まってきております。
 今回の『香川の文学散歩』の刊行は、このような動きの中で、会員相互の教養・研修・研究、ひ
いては一般の方々の必要にも応えるためにと企画されたものです。内容も、教師・生徒といった学
校関係者ばかりでなく、できるだけ幅広い層の志向・要望に応えることができるようにと工夫をこ
らしております。古今の、郷土ゆかりの文人や作品について、実際に歩いて、現場で目で見、体で
感じることができるようにと、地域・現場に密着した取材をし、写真や道案内も豊富に取り入れま
した。
 松尾芭蕉も『奥の細道』で「今眼前に古人の心を閲(ルビ けみ)す。云々(ルビ うんぬん)」と言っておりますように、古人ゆ
かりの土地や道といったものは、なにか私達をそこに誘い、心を打ち、ゆり動かすものを持ってい
るものです。この案内書が、文芸・文化に心を寄せる人達にひろく愛用されて、古人ゆかりの場を
訪ね、先人の心に触れ、新たな感動や発見への枝折(ルビ しお)りとなって、少しでも日常の生活にうるおいを
もたらしてくれればと思います。
   平成四年二月
                  香川県高等学校国語教育研究会長  石 川 勝 之



    目 次

発刊に当たって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   七
 小豆島を歩く
一 内海を行く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  一〇
 1 応神天皇小豆島行幸『日本書紀』・・・・・・・・・・・・・  一〇
 2 星ヶ城・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  一三
 3 黒島傳治の文学と生涯・・・・・・・・・・・・・・・・・・  一六
 4 壺井繁治「石」の詩碑・・・・・・・・・・・・・・・・・・  二〇
 5 壺井栄文学碑・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  二六
 6 生田春月詩碑・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  二六
二 土庄を行く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  二八
 1 荻原井泉水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  二八
 2 尾崎放哉の生涯と句・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  三〇
三 小豆島詩歌めぐり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  三四
 東讃を歩く
一 東部三町を行く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  三八
   南原繁を軸として・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  三八
二 海岸線を行く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  四一
 1 志度寺関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  四一
 2 志度の俳諧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  四四
 3 平賀源内ほか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  四七
 4 平家物語・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  四九
 5 柴野栗山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  五五
三 長尾街道を行く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  五七
 1 静御前の伝承・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  五七
 2 細川林谷の漢詩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  五八
四 木田郡を行く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  五九
 1 島木健作ほか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  五九
 2 阿野赤鳥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  六二
 高松を歩く
一 古典文学の世界・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  六三
 1 説話文学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  六三
 2 軍記物語・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  六五
 3 固浄の西行研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  六八
 4 松平家と和歌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  七〇
 5 木村黙老と『聞くままの記』・・・・・・・・・・・・・・・  七二
二 漢詩文の世界・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  七三
 1 藩儒とその著作・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  七三
 2 漢詩集の流行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  七九
三 高松出身の作家・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  八四
 1 寛少年の高松へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  八四
 2 村山籌子・村山知義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  八九
 3 大薮春彦・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  九一
 4 西村寿行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  九二
 5 西村 望・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  九三
 6 高城修三・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  九四
 7 山田克郎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  九五
 8 河西新太郎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  九六
 9 香西照雄・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  九八
 10 十辺 肇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  九九
 11 香川 茂・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一〇〇
 12 咲村 観・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一〇一
四 文学作品にあらわれた高松・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一〇二
 1 瀬戸内リアリズム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一〇二
 2 林芙美子・向田邦子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一〇二
 3 吉田弦次郎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一〇四
 4 野口雨情・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一〇五
 5 吉井 勇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一〇六
五 屋島山上の文学碑・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一〇七
 1 石森延男・教育文学碑・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一〇七
 2 エドモンド・ブランデン屋島の詩碑・・・・・・・・・・・・ 一〇八
六 高松周辺の文学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一〇九
 1 冠纓神社と和歌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一〇九
 2 藤沢東〔カイ〕(#「カイ」は文字番号21828)・南岳 ・・・ 一一二
 3 中山城山と『全讃史』・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一一四
 中讃を歩く
一 坂出を行く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一一六
 1 崇徳上皇をしのぶ諸作品・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一一六
 2 西行と白峰・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一一八
 3 幸田露伴の『二日物語』・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一一九
 4 中河幹子の歌碑・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一二〇
 5 網の浦と『万葉集』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一二一
 6 沙弥島と『万葉集』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一二二
 7 中河与一の『愛恋無限』・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一二三
 8 荒木暢夫を訪ねて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一二五
二 坂出・丸亀周辺を行く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一二六
 1 佐々木孝丸と真教寺・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一二六
 2 菅原道真と讃岐・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一二七
 3 道範阿闍梨と宇多津・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一二八
 4 徳永真一郎の歴史小説・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一二九
三 丸亀を行く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一三〇
 1 丸亀城とその周辺・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一三〇
 2 旧市街・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一三三
 3 郊外・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一三七
 4 塩飽諸島・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一三八
四 多度津を行く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一四〇
 1 JR多度津駅から多度津港まで・・・・・・・・・・・・・・ 一四〇
 2 桃陵公園文学散歩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一四三
 3 旧町内・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一四六
五 善通寺を行く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一四七
 1 空海の里・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一四七
 2 西行と善通寺・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一四九 
 3 多い周安の校歌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一五〇
 4 『異母兄弟』の背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一五一
 5 湯浅克衛の心のふるさと・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一五二
 6 月照・信海兄弟・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一五三
六 琴平を行く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一五四
 1 金毘羅信仰と文学作品・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一五四
 2 幕末の志士日柳燕石とその文学・・・・・・・・・・・・・・ 一五七
 3 近代文学と名旅館・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一五九
 4 琴平に育った文化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一六三
 5 参道筋の文学碑めぐり・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一六四
 6 琴平の俳諧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一六七
七 琴平周辺を行く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一七一
 1 満濃池を巡って・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一七一
 2 二宮忠八 飛行器を飛ばす・・・・・・・・・・・・・・・・ 一七一
 3 宮武外骨 気骨の人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一七二
 4 古川賢一郎 死を前にする冬のワニ・・・・・・・・・・・・ 一七二
 5 村山リウ 語りべをはぐくんだ榎井・・・・・・・・・・・・ 一七三
 西讃を歩く
 1 宗鑑と一夜庵・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一七四
 2 一茶と専念寺・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一七五
 3 西行と三野津・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一七六
 4 宗良親王と詫間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一七七
 5 西讃文学碑めぐり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一七七
 6 三中時代の高橋和巳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一七九
年表・主要関係地図・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一八一
参考資料・編集委員・執筆者一覧・・・・・・・・・・・・・・・・ 一九二
あとがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一九五