1877年(明治10) ~ (79K)


入力に使用した資料
底本の書名   香川県史 別編Ⅱ 年表 近代
 底本の編集   香川県
 底本の発行   香川県
 底本の出版   四国新聞社
底本の発行日  平成三年三月二十日
入力者名    渡辺浩三
校正者名    渡辺美智子
入力に関する注記
    ・文字コードにない文字は『大漢和辞典』(諸橋轍次著 大修館書店刊)の
     文字番号を付した。
    ・JISコード第1・2水準にない旧字は新字におきかえて(#「□」は旧字)
     と表記した。

登録日   2003年2月14日
      


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1877 (明治10年)
  政治・経済
   1・8 小西甚之助が法律規則講究を目的に参誠社を結成(小西甚之助実歴書)
   1・8 県が山野公有地官民有区別取調心得書を布達(地租改正報告)
   1・11 県が明治9年分讃岐国地租仮納石代を米1石につき金4円52銭8厘7毛
       6絲と通達(愛媛県布達)
   1・16 太政官達により府県職制中参事以下を廃し,大・少書記官1等属以下10
       等属等外を置く(府県制度資料)
   1・16 讃岐国に町村会,大区会開設.町村会は2月第1金曜日,大区会は3月第
       2金曜日に開会(愛媛新聞)
   1・16 讃岐国が干害のため9年分地租の内4万2970円の延納を大蔵省へ伺い出
       て許可される(内・愛媛県史)
   1・25 地価還元の利子率を6歩とする旨の県布達(地租改正報告)
   1・- 香川郡中ノ村に絹保多織業を営む紡織舎の設立認可(公文雑纂)
   2・4 諸車業者の増加で道路に損害が生じるため,国税のほかに県税を賦課し修
       繕費に充てる旨を布達(愛媛県史)
   2・13 兵役は国家の一大事であり,義務に応じ徴兵忌避をしないよう権令が告諭
       (沿革類聚愛媛県布達引書)
   2・19 讃岐国大区小区々画一覧を県内に布達(愛媛県布達達書)
   2・22 元警察第1出張所が高松警察署,元警察第2出張所は丸亀警察署に改称
       (愛媛県布達達書)
   2・- 小西甚之助が官令弁解所を設立(小西甚之助実歴書)
   3・1 大内郡馬篠村・町田村・土居村・中山村・三殿村・松崎村・落合村・大谷
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       村・小磯村の10か村が合併して丹生村となる(2月9日伺い出る.3月10
       日内務省聞き届け)(内・愛媛県史)
   3・3 丸亀に第十二師管後備本部を設置(沿革類聚愛媛県布達引書)
   3・8 第3大区2小区長伊藤程吉が,区戸長の官撰を改め公撰にするよう建議
       (愛媛県秘書雑書)
   3・23 大内郡塩屋村と引田村の両村を合併して引田村と称す(内・愛媛県史)
   4・2 多度津区裁判所を開設.管轄は第6・7大区(愛媛県布達)
   4・7 寒川郡長尾名村の小西甚之助が伊予と讃岐の区吏の名称統一を県権令に建
       議(愛媛県秘書雑書)
   4・12 県が金禄公債証書を資本に士族の銀行設立を勧める(愛媛県布達)
   4・21 県が組頭撰挙仮規則及び組頭撰挙試験仮方法を定める(愛媛県布達)
   5・8 愛媛県会仮規則を布達.県会議員に挙げられるのはその大区の籍で不動産
       を所有し,年齢20歳以上の戸主であること,議員の定員は人口2万人に
       1員,任期は2年(愛媛県布達)
   5・10 各大区(讃岐国第1~第7)に勧業掛を設置(愛媛県布達)
   5・30 徴兵常備軍当撰の者は6月1日から10日の間,丸亀営所に入営を示達(愛
       媛県史)
   6・9 松山城三の丸一円を陸軍省兵営とするため,県庁を松山一番町に建築移転
       するまで松山宮古町大林寺において事務を執る(愛媛県布達)
   6・11 当県に巡査1000人が出張してきたのは賊徒諸方へ散乱による人民保護の
       ためであり,浮説に惑わされないようにと布達(愛媛県史)
   6・13 22日から開会する県会を次の者に限り傍聴を許可する.判任官・教導職
       ・区長・学区取締・医務取締・等外吏・戸
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       長・学校教員(愛媛県会資料)
   6・22 第1回特設愛媛県会を松山旧藩校(明教館)で開会.議員定数70,うち
       讃岐側31,議長小林信近,議案は学資賦課・警察費賦課・民費賦課・民
       費賦課方法の4件(~7月10日)(愛媛県議会史)
   7・9 県が巡査定員及び配置表を改定し,配置定員を512人(うち讃岐198人)
       とする(愛媛県布達)
   7・27 国立銀行発行の紙幣は,政府発行の紙幣同様通用する旨県が諭達(愛媛県
       史)
   7・30 区会議員の定数を讃岐国各大区に限り各小区人口3000人に1人とするよ
       う改正(愛媛県布達)
   9・3 県会議員佐々木清三が大区長公撰を建言(愛媛県秘書雑書)
   9・29 地租改正用件のため権令岩村高俊が高松支庁へ出張(~10月19日)(愛
       媛県布達)
   10・13 第5大区2小区の安井勇平が「物産ヲ興スノ建言」を提出(愛媛県秘書雑
       書)
   12・20 愛媛県が漁場及営業取締収税仮規則を定める.沿海各村浦漁区は讃岐国が
       第1から第9漁区まで(愛媛県布達)
   12・30 第10代高松藩主松平頼胤死去(68)(高松市史)
   12・- 高松南新町に純民社が設立される(11年1月「演説雑誌」を創刊)(愛媛
       県統計概表)
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  社会・文化
   1・25 高松に松山裁判所支庁を開庁.管轄は讃岐国一円(愛媛県布達)
   2・1 免許を受けずに官山の下草等の刈取りを禁止(愛媛県史)
   2・2 銃砲所持者は3月15日限りで届け出るよう布達(愛媛県史)
   2・6 讃岐・伊予区内で天然痘が流行.種痘に尽力するよう訓令(愛媛県布達)
   2・19 乃生・高松間に電信線が架設され,高松城内に取扱所を設けて官報のみ取
       り扱う(高松市史年表)
   3・2 芝居定小屋・寄席定席での演劇・角力等の興行は,町村会で可否を決めさ
       せたうえで県が許可する(愛媛県布達)
   3・7 讃岐国で地租改正後,小学校費の支出困難の状況にあるとして速やかに資
       金策を講じ,学校維持の基礎固めを県から諭達(愛媛県史)
   3・11 玉藻城内の高松電信取扱所が一般の利用に応じる(高松市史年表)
   3・26 小学校廃止の疑惑が流れ,学事拡張上の障害が少なくないと県が心得方を
       諭達(愛媛県史)
   3・26 県が,軽業・角兵衛獅子は幼い者の身体を害し,衛生上の障害も少なくな
       いと営業禁止を布達(明治25年廃止)(愛媛県布達)
   3・31 高松病院医学校の入学生30名を募集(愛媛県史)
   3・31 県が学齢児童の調査と就学勧誘を区長・戸長・学区取締に指示(愛媛県布
       達)
   3・- 堀秀成の「音義本末考」を神奈
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       川の中村信治が出版.「言霊妙用論」(2冊)は南浦堂から出版(香川県
       文学史年表)
   4・11 讃岐師範学校に女子師範科を設置し,入学志願者を募集(愛媛県布達)
   4・24 県が学区世話係心得を制定(愛媛県布達)
   5・9 大内郡馬宿村の久米与平が県に「新発明品専売之義ニ付建言」を提出(愛
       媛県秘書雑書)
   6・1 三野郡本大村の大西豊八が「学校維持策之上書」を県に提出(愛媛県秘書
       雑書)
   6・6 満15歳以上の男女戸主は後見人を設けるに及ばないと県が布達(沿革類
       聚愛媛県布達引書)
   6・12 教員集会規則を制定(小学校教員は毎年2回以上郡単位で研究集会をもつ
       ことを義務付ける)(愛媛県史)
   6・30 讃岐師範学校の貸費生20名募集(愛媛県布達)
   7・5 私学開業希望者は学区取締場に出願のこと(愛媛県布達)
   7・16 諸賑の興行はなるべく昼間にすませ,夜に入る時は午後10時を限度とす
       ること.興行中未明から太鼓を打ち鳴らすのは近所迷惑,日の出後とする
       よう布達(沿革類聚愛媛県布達引書)
   7・- 吉谷川古井戸堰の修築方法をめくり,田中村と氷上村の間で水論が発生
       (高松地方裁判所記録)
   8・7 盆踊りの自粛を権令告諭(愛媛県布達)
   8・9 権令岩村高俊が会議の時刻を遵守するよう諭達(愛媛県布達)
   8・14 県が学事奨励の告諭を発して学事担当者の興学努力不足を訓戒(愛媛県布
       達)
   8・14 讃岐国中学区番号を改称(第32番中学区,大内・寒川・三木・山田
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       郡.第33番中学区,小豆島・香川郡.第34番中学区,阿野・鵜足・那珂
       郡.第35中学区,多度・三野・豊田郡)(愛媛県布達)
   8・19 中桐文炳(医者・俳人)死去(74)(香川県文学史年表)
   8・20 讃岐国(第1~7大区)の小学聯区分割を制定(愛媛県布達)
   8・28 県が子供たちが集まって戦争の物真似をすることを禁止(愛媛県史)
   8・- 国市池の配水割合をめぐり下高瀬村など5か村が,池元の比地中村を松山
       裁判所高松支庁に訴える(高松地方裁判所記録)
   9・30 県が虎列刺(コレラ)病予防法心得を制定(愛媛県布達)
   9・30 高松病院の三井荘三郎が権令に「虎列刺病之義ニ付建言」を提出(愛媛県
       秘書雑書)
   10・20 コレラ病者発生の時は最寄りの警察分署または戸長への届け出を義務づけ
       る(愛媛県布達)
   10・23 県がコレラ病予防のため患者のある町村に,当分,神社の祭礼や芝居・寄
       席等の興行差し留めを命令(愛媛県布達)
   10・26 県が篤行奇特者の賞誉取調仮規則を定め,町村会議員で調査するよう示達
       (愛媛県布達)
   11・5 高松病院医学校で医学生徒20名,薬舗学生15名募集(愛媛県布達)
   11・10 伊予・讃岐両師範学校を合併.愛媛師範学校(松山に設置)とする(愛媛
       県史)
   11・- 奈良専二,内国勧業博覧会に農書及び農具を出品,入賞(全国篤農家列伝)
   12・8 高松電信分局から徳島までの電信線架設(愛媛県史)
   12・28 讃岐師範学校の合併に伴い,同
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       校内の女子師範学科は当分第4大区講習所内に仮説し,女子師範学科教則
       を施行(愛媛県布達)
   この年 県内(伊予・讃岐)の学事状況は,学校数,公立小学1105校・私立小学
       10校・公立中学校3校・私立中学校13校・小学師範学校2校・学齢人員
       22万6843人・同就学7万4248人・同不就学15万2583人・日々出席生
       徒平均数5万2501人・人口100人中就学生徒5,67人(文部省第5年報)
   この年 県内に男女67名の棄児があり,県から養育米を支給(愛媛県史)

1878 (明治11年)
  政治・経済
   1・20 勧業掛集会を開催(議問・物産調査ノ確実ヲ得ル方法如何.官林ヲ保護シ
       繁茂セシムル方法如何.固有著名ノ物産ヲシテ盛大ナラシムル方法如何.
       米穀製方及俵製ヲ改良セシムル方法如何)(~22日)(愛媛県布達達書)
   1・- 三本松村に興民社が設立(東讃産業史)
   2・16 第3大区第2小区戸長日下雪太郎が戸長公選の建言書を愛媛県権令に提出
       (愛媛県秘書雑書)
   2・28 高松五番町浄願寺で県会議員選挙会開く.被選挙人は広く県内の者を選ぶ
       よう周知(山田香川郡布達)
   3・12 県庁事務を第1課庶務・第2課勧業・第3課租税・第4課警察・第5課学
       務・第6課出納に分掌(愛媛県庁事務定則)
   3・28 高松警察署の宇高正郎が愛媛県権令に「囚人取扱ニ付建議」を提出(愛媛
       県秘書雑書)
   4・12 第2回特設愛媛県会を開会(~5月1日)(愛媛県議会史)
   4・15 第2回特設県会で福家清太郎が県会仮規則第4条(県令の県会議決事項施
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       行権)の改正意見を提出(愛媛県議会史)
   4・27 各大区勧業掛と県第2課との間に農事通信仮規則を定める(愛媛県布達達
       書)
   5・15 権令岩村高俊を愛媛県令に任命(内・愛媛県史)
   6・22 太政官1両以下及び民部省金礼の交換期限を6月30日限りから9月30日
       限りに延期の布達(愛媛県布達)
   7・22 府県会規則を制定(愛媛県布達)
   7・24 寒川郡志度村の製糖場に西洋式の糖蜜分離器を備えるため,旧砂糖問屋ら
       が県から購入資金の融資を受ける(上野家文書)
   9・4 県が物産会等を含む民設博覧会開設の手続を制定(愛媛県布達)
   9・11 大阪の愛国社再興第1回大会に讃岐から細谷多門が出席(自由党史)
   9・- 那珂・多度両郡にドウムシが大量発生,稲に大被害(愛媛県布達達書)
   10・22 第1大区7小区長,長尾名村蒲生愛三が戸長の官民合選を愛媛県令に建言
      (愛媛県秘書雑書)
   10・25 高松の三井嘉太郎が県令の高松支庁出張に際しての過剰守衛に抗議の建言
       (愛媛県秘書雑書)
   11・1 第百十四国立銀行(資本金5万円)高松丸亀町で営業を開始(愛媛県統計
       概表)
   12・16 愛媛県の讃岐国高松支庁を廃止.諸税及び地租改正,地券書換えは高松に
       出張所を置き,取り扱うこととする(愛媛県布達)
   12・16 従前の区画を廃し,郡町村編制及び郡役所位置を次の通りに定める.大内
       郡寒川郡=郡役所寒川郡津田村(村50)三木郡山田郡=同三木郡平木村
       (同45)小豆郡=同郡土庄村(村9)香川郡=同郡高松市街(村1,町49,
       島3)阿野郡鵜足郡=同阿野郡坂出村(村65)那珂郡
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       多度郡=同那珂郡丸亀市街(村61,町19,島11)三野郡豊田郡=同豊田
       郡観音寺村(村69,島3)(愛媛県布達)
   12・16 郡長委任条目・郡長職務心得を定める(愛媛県布達)
   12・16 町村戸長職務規則及職務概目を布達(愛媛県布達達書)
   12・16 浦役人を廃止し浦役場事務は町村戸長が担理する(愛媛県布達達書)
   12・16 大区小区制を廃止して讃岐に7郡を置く.小豆島は豊島を含めて小豆郡と
       なる(内海町史)
   12・16 町村戸長公撰規則を定め,戸長となれる者は,満20歳以上の男子で,同
       町村内で不動産を所有する者に限ると布達(愛媛県布達達書)
   12・17 各郡長を次のように撰任する。大内寒川郡長菊池武煕・三木山田郡長栗生
       誠・小豆島郡長木村浩蔵・香川郡長松本貫四郎・阿野鵜足郡長福家清太郎
       ・那珂多度郡長三橋政之・三野豊田郡長石川宗一(愛媛県布達達書)
   12・25 愛媛県讃岐国郡村耕宅地の改租が許可される(地租改正基礎資料)
   この年 高松立志社が設立(純民雑誌)
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  社会・文化
   1・10 船舶の航海には必ず提灯をつける旨の布達(内・愛媛県史)
   1・13 教育の拡充を図るため,師範学校長・学区取締・派駐訓導の会議を県庁で
       開催(愛媛県史)
   2・5 愛媛県中学校規則を制定(愛媛県布達)
   2・25 丸亀・今治・松山・宇和島間に電信線仮設(愛媛県史)
   2・27 川筋に仮設居住する家屋は漸次引払うよう示達(愛媛県布達)
   3・5 公立学校設立及び廃合移転規則を布達(4月1日施行)(愛媛県布達)
   3・11 愛媛県下等小学校則を改定して,教則を甲種(都会)乙種(村落)に区分
       する(愛媛県布達)
   3・26 愛媛県小学規則及び上等小学教則を改定(愛媛県布達)
   4・10 県が無免許の歯抜営業を4月20日から禁止する旨を布達(愛媛県布達)
   4・11 県が森林火災予防の告諭を出す(愛媛県布達)
   4・12 県が医務取締公撰仮規則を制定(愛媛県布達)
   4・13 各区に種痘所及び支所を開設し
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       種痘所及び支所規則を6月1日から施行(愛媛県布達)
   5・10 高松天神前に愛媛県女子師範学校設立を文部省へ伺い,同月20日,聞き
       届けの指令(内・愛媛県史)
   5・17 愛媛県下等小学乙種教則結尾学科を制定(愛媛県布達)
   5・18 琴平村川崎重武,事比羅宮弥宜琴陵宥常らが明治12年3月1日から122
       日間,事比羅宮社務所内で博覧会開催願を県に提出(年々日記)
   6・19 愛媛県下等小学教則丙種を制定(愛媛県布達)
   6・24 県下公立変則中学校は今後変則の2字を削除(愛媛県布達)
   7・- 船岡池の配水をめぐり一ノ宮・三名・鹿角の3か村と百相村の間で紛争
       (高松地方裁判所記録)
   8・- 五郷山の官民有区分につき入会16か村間で内紛(五郷山部分林史)
   10・15 県衛生医事会議を開会(愛媛県布達)
   10・26 県が区戸長等に祭礼の獅子舞が粗暴の挙動をしないよう誓書の提出を命令
       (愛媛県布達)
   10・- 御厩池の配水割合をめぐり飯田・檀紙・鶴市の3か村と御厩・中間の2か
       村の間で訴訟事件が起こる(高松地方裁判所記録)
   12・16 学区取締を解任.事務は今後郡長が担理し,書記が専任する(愛媛県布達)
   12・27 衆を集め演説論議する者は予め最寄りの警察署に届け出るよう布達(愛媛
       県布達達書)
   12・27 郡区改正につき,警察本・分署・交番所位置並所轄区域巡査配置方法等を
       改正(愛媛県布達)
   12・- 1月に創刊の純民社「演説雑誌」を「純民雑誌」と改題,毎月3集
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       を発行(純民雑誌)
   この年 県内(伊予・讃岐)の学事状況は,学校数,公立小学1187校・私立小学
       14校・公立中学4校・私立中学12校・小学師範学校2校・学齢人員22
       万5477人・同就学7万5427人・同不就学15万50人・日々出席生徒平均
       数5万3163人・うち讃岐国の小学校432校(3万4500人)中学校6校
       (264人)師範学校1校(35人)(文部省第6年報)

1879 (明治12年)
  政治・経済
   1・13 三木山田郡役所を三木郡池戸村へ,三野豊田郡役所を当分三野郡寺家村へ
       移転(愛媛県布達達書)
   1・14 県が町村会規則を布達(愛媛県布達達書)
   1・14 町村戸長事務取扱所を戸長役場と称す(愛媛県布達達書)
   1・28 旧砂糖問屋に対し旧高松藩砂糖為替貸下金の棄捐を布達(愛媛県布達達書)
   2・12 井上甚太郎が愛媛県令に「官有塩田ノ義ニ付建言」を提出(愛媛県秘書雑
       書)
   2・19 勤王家小橋橘陰が死去(58)(高松市史年表)
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   2・- 各郡ごとに第1回県会議員選挙を実施.讃岐国当選者(大内郡)六車三郎
       ,永峰雄吉(寒川郡)国方甚吾,白井太郎(三木郡)入倉又三郎(山田郡)
       漆原完平,木村忠誠(小豆郡)九富久一郎,三枝重太郎(香川郡)綾野宗
       蔵,片山速太,佐々木清三,瀧米五郎,奈良恒五郎(阿野郡)瀬尾景厳,
       原田政清,安井勇平(鵜足郡)小山健太郎,原友三(那珂郡)久留嶋修平,
       豊田元良,馬場純治郎(多度郡)谷口輝三(三野郡)伊藤一郎,塩田忠左
       衛門,大西量平(豊田郡)久保管太郎,森岡長茂,平田源治(愛媛県議会
       史)
   2・- 旧丸亀藩士族・旧土佐藩士族・大阪府商人等が丸亀通町に丸亀百二十七国
       立銀行設立(地方勧業上ニ関スル調査)
   3・1 事比羅宮境内において琴平山博覧会を開設.コレラ病流行のため6月15
       日限りで閉場(愛媛県布達達書)
   3・25 第1回県会に先立ち議員総会を開き,議長・副議長選挙を実施.議長に綾
       野宗蔵(香川郡選出)副議長に天野精吾が当選(愛媛県議会史)
   3・26 第1回通常県会を松山中学校明教館で開会(~5月6日)(愛媛県議会史)
   4・22 田畑宅地の地租改正は主務局が稟議済みのため,明治9年に遡って新税施
       行を讃岐国へ布達(愛媛県布達達書)
   4・28 県が採藻取締り及び収税規則を制定(愛媛県布達達書)
   4・- 愛媛県庁事務定則を改正し,県庁機構を本局・庶務・勧業・租税・警察・
       会計・学務・地理の1局7課に分ける(愛媛県庁事務定則)
   5・7 寺家村に仮設の三野豊田郡役所を観音寺村へ移転(愛媛県布達達書)
   5・20 小西甚之助が国会に代わる府県会連合会の開設を各府県会議長に呼び掛け
       る(山陽新報)
   5・24 明治12年度地方税歳入出予算を40
-262-
       万1007円と定める(愛媛県布達達書)
   6・6 町村会決議上申書は議長より戸長へ報告し,戸長より郡長を経て県庁へ上
       申認可を受けるよう示達(愛媛県布達達書)
   6・14 県令岩村高俊が琴平へ出張(琴平山博覧会出席)(愛媛県布達達書)
   7・10 地券申受例規を定め,地券事務を郡長取扱いとする(愛媛県布達達書)
   8・22 官民有地を問わず堤上堤腹等仕用心得を定める(愛媛県布達達書)
   9・4 愛媛県漁場及営業税取締収税仮規則を改め,漁業規則を制定(愛媛県布達
       達書)
   9・6 郡長集会条規を定め,本年は9月26日に開催(愛媛県布達達書)
   9・6 県が町村連合会規則を定める(愛媛県布達達書)
   9・13 大内・寒川郡長菊池武熙が,経費節減のため郡域の拡大と町村合併による
       戸長の人員減を県令に建言(愛媛県秘書雑書)
   9・- 勧業通信規則の制定.郡役所に通信委員を,各町村に勧業掛に代えて勧業
       世話係を置く(愛媛県布達達書)
   11・7 事比羅宮が岩村県令あてに琴平山博覧会の景況報告書を提出.観客26万
       8940人,出品数8万2508品(琴平山博覧会報告書)
   11・25 明治12年10月に県から拝借した4万7305円63銭3厘と社金4万6994
       円36銭7厘で讃岐国産砂糖取扱所を改組して高松砂糖会社を設立(上野
       家文書)
   12・6 社寺維持祭典費等は公費でないため町村会で議決しないように県が示達
       (愛媛県布達達書)
   12・- 十州同盟が丸亀で開催した会議で同盟強化のため,十州塩田勧業会社の設
       立を企図(十州塩田組合紛議始末概略)
-260-
  社会・文化
   1・11 県が学区世話掛取締規則を制定(学校維持方法の立案と子弟の就学勧誘に
       あたる)(愛媛県学務規則)
   1・25 県編成小学校則教則は各郡役所が実状に応じて適宜編成施行することを認
       める(愛媛県布達達書)
   1・27 県が聯区監視を置く(小学校教員の中から任命し,教務の一方で聯区内の
       小学校授業の視察にあたる)(愛媛県学務規則)
   2・- 東京の市村座で「敵討宝来松」(研辰の討たれ)上演(香川県文学史年表)
-261-
   3・1 本日初日の琴平山博覧会に高橋由一が油絵37点を出品(金毘羅庶民信仰
       資料集)
   3・10 松山裁判所高松支庁,多度津区裁判所の管轄区域を定める(愛媛県布達達
       書)
   3・12 郵便路線中渡船場,あるいは郵便脚夫が途中発病等で逓送方法に差し支え
       がある際の心得書を布達(愛媛県布達達書)
   3・22 川崎舎竹郎死去(58)高松博文社創設の豪商(新修高松市史)
   3・28 儒者で勤王家の相馬九方死去(79)(続・讃岐人名辞書)
   4・7 小瀬居島付近のサワラ漁を巡る香西浦と塩飽島漁業者の争いは県布達に基
       づく協議で解決(水産例規)
   4・20 高松で発行の「純民雑誌」第15号が「圧制政府ハ宜シク転覆スベシ」の
       論を掲載(純民雑誌)
   4・28 幼児の教育をゆるがせにして学資の義務を怠ることのないよう郡役所が達
       (山田香川郡布達全要)
   5・13 多度津区裁判所を塩屋村に移し,丸亀区裁判所と改称して開庁(愛媛県布
       達達書)
   5・16 高松の愛媛県女子師範学校を廃止(愛媛県史)
   5・23 天然痘流行のため20歳以下の者は必ず種痘を受けるよう告示(山田香川
       郡布達全要)
   5・26 丸亀避病院詰三井荘三郎が,伝染病予防のため各郡に2人ずつの検疫委員
       を公撰して予防消毒法を審議させるよう県令に建言(愛媛県秘書雑書)
   6・3 コレラ伝染の兆しがあるため,諸興行,祭典等の群集は当分差し止め(9
       月25日解く)(山田香川郡布達全要)
   6・30 香川郡小学校規則を改定施行(小学全科の年期を定め,小学学科を
-262-
       上下2等と結尾科の3種とする)(山田香川郡布達全要)
   7・7 コレラ病蔓延のため香川郡役所が小学校の臨時休業を指示(山田香川郡布
       達全要)
   7・10 県がコレラ病予防仮規則を公布(愛媛県布達達書)
   7・14 コレラ蔓延のため,神仏に悪病疫除の願いから高松市街で小笹に提灯をつ
       るし,鳴物を鳴らして踊り歩く群衆が少なくないが,このようなことをし
       ないよう達(山田香川郡布達全要)
   9・18 香川郡小学校教員会議規則を制定(教員集会で各校の情報を交換し,教育
       上の諸件を審議研究)(山田香川郡布達全要)
   10・10 警察課職制(課長・警部・巡査)及び警察課事務章程を定める(愛媛県布
       達達書)
   10・26 史家梶原藍水(景紹)死去(73)嘉永6年「讃岐国名勝図会」を刊行(新
       修高松市史)
   11・7 諸賑興行で1日限りの分は今後,戸長役場の許可のみで執行許可(愛媛県
       布達達書)
   11・13 2種類ある公立小学校分教場は以後1種類とし,1種類は本校に引き直す
       (愛媛県布達達書)
   12・25 国道・県道路線及び海港を仮定.国道第3等(下津井港・丸亀港・丸亀市
       街・寺家村・和田浜・松山一番町県庁)・県道第1等(丸亀市街通町国道
       接続地・丸亀営所)県道第2等(丸亀市街通町国道接続地・坂出村・高松
       市街西浜町・内町松山裁判所高松支庁)(高松市街字広場・兵庫町・出晴
       ・池戸村・尾長西村・引田村・板野郡大坂村)(高松市街塩屋町・古高松
       村・津田村・丹生村町田)(高松市街通町・東浜港・小豆郡土庄港)(豊
       田
-263-
       郡大野原十三塚国道接続地・観音寺村・寺家村国道接続地)(愛媛県布達
       達書)
   この年 讃岐国の小学校452校(3万4752人)中学校6校(278人)(文部省第7
       年報)
   この年 藤本五視の俳句集「記念の言の葉」刊(香川県文学史年表)
   この年 3月から12月のコレラ病患者1万4400人,死者9200人(愛媛県布達達
       書)

1880 (明治13年)
  政治・経済
   1・16 県庁に衛生課を設置(愛媛県布達達書)
   1・24 香川県築地町外7町戸長二宮平太郎らが,同郡高松58町一円を高松区と
       改正し,区役所設置の建白書を県に提出(愛媛県秘書雑書)
   2・25 改租に不服の高松四・五・六番丁に対し官による地価の強制を決定(明治
       初年地租改正基礎資料)
   2・25 讃岐国市街地・塩田改租事業を許可(地租改正基礎資料)
   2・28 高松で発行の純民雑誌第38号が,高松商法会議所設立の挙に賛同の論を
       掲載(純民雑誌)
   2・- 高松商法会議所設立.会頭鈴木伝五郎・会員25名(愛媛県統計概表)
   3・2 香川郡一番丁,綾野宗蔵を総代とする1府9県の有志27名が元老院に国
       会開設を建言(上書建白書)
   3・8 愛媛県令岩村高俊を内務大書記官に,判事関新平を愛媛県令に任命(3月
       23日赴任)(愛媛県布達達書)
   3・15 小西甚之助が第1回の国会開設建白書(願望国会開設之書)を元老院に提
       出(上書建白書)
   3・15 高松商法会議所申合規則を定める(愛媛県布達達書)
   3・17 愛国社第4回大会に讃岐から西条
-264-
       欣吾・富永太一郎・細谷多門・黒瀬幸太郎らが出席(自由党史)
   3・17 讃岐国塩田及び市街,準市街地の地租改正は主務局へ稟議済みにつき,明
       治9年分より新税を施行(愛媛県布達達書)
   3・29 純民雑誌が明治13年に国会開設の詔が下ることを断じて疑わないという
       投書を掲載(純民雑誌)
   4・2 宇多津村の阿比野勇が讃岐で使用する運送用一輪車(ネコ車)の減税建白
       書を元老院へ提出(愛媛県秘書雑書)
   4・19 2府22県8万7000人署名の「国会を開設するの允可を上願する書」の各
       地総代人に,西条欣吾・木庭繁・富永太一郎・細谷多門・黒瀬幸太郎・森
       島鼎三らが名を連ねる(自由党史)
   4・24 衛生費として内庫の金1000円が愛媛県に下賜される(愛媛県布達達書)
   5・21 監獄署設置につき監獄専任警部のいない署は警察署長が兼掌のこととする
       (愛媛県布達達書)
   5・21 高松商法会議所の建議による「各商業仲間申合条規ヲ立ル方法」が,商業
       仲間申合規則として諭達(愛媛県布達達書)
   5・22 三野郡財田上ノ村,大久保〔ジン〕之丞(#「ジン」は文字番号35739,
       #「丞」は旧字)が戸長の職務の重さに鑑み戸長給料増補の建言を県に提
       出(愛媛県秘書雑書)
   6・8 富田西村の鴨井薫太郎が愛媛県令に「荷車小車(ネコ車)税金之儀ニ付建
       白」を提出(愛媛県秘書雑書)
   6・11 第2回通常県会を県会議事堂で開会.議長綾野宗蔵.建議案「師範学校分
       割ノ建議」(修正可決)「荷車中小車ノ内一輪小車国税免除ノ儀ニ付建議」
       (原案可決)など(~7月28日)(愛媛県議会史)
   6・- 香川郡二番丁,斎藤省二ら5人が同郡百相村に勧農場設立を県令に建白
       (愛媛県秘書雑書)
-265-
   8・2 高松の大蔵省為替方の鈴木伝五郎を免じ,第百十四国立銀行に取り扱わせ
       る(愛媛県布達達書)
   8・9 県会議員定数を第2回選挙より次のように改定,大内寒川郡4人・三木山
       田郡3人・小豆郡2人・香川郡5人・阿野鵜足郡5人・那珂多度郡5人・
       三野豊田郡5人(愛媛県布達達書)
   8・13 県会議員半数改選退任者を抽選で次の者に決定,9月中改選のこと.大内
       寒川郡濱垣新,三木山田郡入倉又三郎・木村忠誠,小豆郡森口小八郎・三
       枝重太郎,香川郡福家清太郎・瀧米五郎,阿野鵜足郡原田政清・瀬尾景厳
       ・原友三・安井勇平,那珂多度郡山地伴吾,三野豊田郡大西量平・森小八
       郎・浮田勝次郎(愛媛県布達)
   8・15 小西甚之助が第2回の国会開設哀願状を元老院に提出(上書建白書)
   8・20 明治13年度地方税歳出入予算を合計45万2659円46銭2厘と定める(愛
       媛県布達達書)
   9・1 町村戸長俸給規則を制定(愛媛県布達達書)
   9・- 高松商法会議所が砂糖卸商仲間申合条規及び説明を策定(愛媛県布達達書)
   10・9 小西甚之助が第3回の国会開設哀願有志人民担当者総代として元老院へ出
       頭.翌々11日哀願状を提出,官省,大臣を歴訪,11月有栖川左大臣に献
       呈(小西甚之助実歴書)
   10・12 県令関新平が讃岐国各郡巡回につき出張(愛媛県布達達書)
   10・23 高松商法会議所が糖業改良のため,仏生山で糖業者集会,協議会を開催.
       翌24日に鹿角村で同様の会議を開催(山田香川郡達)
   10・25 多度津村に,汽船乗客及び積物取扱いの硯岡社を設立(資本金1万1000
       円)(地方勧業上ニ関スル調査)
-266-
   11・29 臨時県会開会.備荒儲蓄法施行規則・同収支予算を可決,議長松本貫四郎
       (~12月10日)(愛媛県議会史)
   12・18 産米の品質悪化に関し各町村に改善を達(愛媛県布達達書)
-263-
  社会・文化
   1・12 琴平の三井荘三郎が県会に医事会議の開設を建言(愛媛県秘書雑書)
   1・14 高松病院長瀧澤清顕が,伝染病予防のため,道路へのゴミ棄てを厳禁.汚
       濁をさらえるなど市街の不潔解消について県令に建白書を提出(愛媛県秘
       書雑書)
   2・4 前年のコレラ病蔓延に鑑み隣保協力して溝渠,芥溜等不潔箇所の掃除に着
       手するよう県が諭達(愛媛県布達達書)
   2・4 県下に天然痘流行につき,種痘接種を行い予防に努めるように布達(愛媛
       県布達達書)
   2・15 高松の福善寺で平賀源内100年祭を執行.同時に遺品展覧会を開催,画幅
       54点を展示(志度町史)
   3・4 明治12年の讃岐国上米平均相場は1石につき7円89銭1厘1毛と発表
       (愛媛県布達達書)
   4・10 丸亀市街東組の人たちが,同地方に中学校設置の趣旨で28円9銭を那珂
       多度郡へ寄付(丸亀市文書)
   4・15 県が学務委員撰挙規則,学務委員心得を定める(学区世話掛を廃止)(愛
       媛県布達達書)
   4・22 公立学校教則は学校各自に編成し,郡戸長を経て県令に伺い出,文部
-264-
       卿(#「卿」は旧字)の許可を得ることとする(愛媛県布達達書)
   4・24 県警察課を警察本署に,課長を本署長に改称(愛媛県布達達書)
   4・26 県が人材を得られるよう,教師の待遇改善について示達(沿革類聚愛媛県
       布達引書)
   4・28 公立小学教員の学術を証明するため教員試験規則を定める(愛媛県布達達
       書)
   5・1 満20歳以下の戸主には後見人をつける事を布達(愛媛県布達達書)
   5・3 公立学校設立分合は町村会の協議を経て伺い出るよう訓令(愛媛県布達達
       書)
   5・14 戸籍番号を地番号に改正するにつき,戸長が調成の上,郡役所へ届け出る
       よう訓令(愛媛県布達達書)
   5・28 公立学校の築造・修繕・公立小学校の授業料額の制定は,自今,その町村
       の専行で差し支えない旨を県が布達(沿革類聚愛媛県布達引書)
   5・- 丸亀に愛媛県亀山中学校を設立(文部省年報)
   6・4 町村内に私立小学校がある場合は,別に公立小学校を設置しなくてもよい
       旨を布達(山田香川郡布達全要)
   6・30 医師がチフス・赤痢・天然痘・麻疹・ジフテリア等を診療した際,戸長へ
       提出する書類の雛型を定める(愛媛県布達達書)
   7・- 高松病院の柏原謙益が「高松病院医学所之義ニ付建言」を提出.松山に合
       併反対(愛媛県秘書雑書)
   8・9 学校での生徒弁論会が国政上にわたることも妨げないが傍聴は許さない旨
       を香川郡が示達(山田香川郡布達全要)
   8・23 町村衛生委員を聯合町村(1戸長役場)ごとに1名置く(愛媛県布達達
-265-
       書)
   9・8 師範学校校費師範生を募集.募集人員・大内寒川郡2人,三木山田郡2人,
       小豆郡1人,香川郡3人,阿野鵜足郡3人,那珂多度郡3人,三野豊田郡
       4人(愛媛県布達達書)
   9・15 県下を暴風雨が襲い,讃岐国に死者177名,溺死者32名,家屋倒壊1224
       軒の被害をもたらす.とりわけ那珂郡の被害甚大(~16日)(公文録)
   9・24 社寺及び仏堂創建並びに再興の際は,維持方法及び建物坪数等を詳記して
       願い出ること(愛媛県布達達書)
   10・28 伝染病予防心得書を諭達(コレラ・腸チフス・ジフテリア・発疹チフス・
       痘蒼)(愛媛県布達達書)
   11・8 公立小学校校則教則編成については,各郡役所において各校を指導し,編
       成のこと(愛媛県布達達書)
   11・15 次の種類の営業は午前6時から午後12時までとする.市場・劇場・諸興
       行並びに遊覧所・遊技場・寄席(愛媛県布達達書)
   11・27 伝染牛疫処分及び予防方法を定める(愛媛県布達達書)
   12・13 那珂多度郡長が旧暦による新年をとりやめ,太陽暦による新年祝賀を行う
       よう諭達(丸亀市文書)
   この年 県内(伊予・讃岐)の学校数は,公立小学1278,私立小学21,公立中学
       6,私立中学2,小学師範学校1,公立各種学校7,私立各種学校24(文
       部省年報)
   この年 愛媛県讃岐国の本籍人口60万1782人(香川県人口移動調査報告)

-266-
1881 (明治14年)
  政治・経済
   1・1 県が備荒儲蓄法施行規則を施行.国庫配付金及び土地所有者からの公儲金
       を合わせて蓄積,凶荒予備や罹災窮民の救助に充てる(愛媛県布達達書)
   1・6 五郷山が官有地として処分される(五郷山部分林史)
   1・15 赤松渡・下津永行らの旧高松藩士がマッチ製造を営むため高松三番丁に蜂
       蟻社を設立(県政引継演説書)
   1・26 県会議員第1回2年期改選人名を発表.大内寒川郡坂東宗象,三木山田郡
       香西照忠・(再撰)木村忠誠,小豆郡八代田定次郎・岡井庄左,香川郡松
       本貫四郎・(再撰)福家清太郎,阿野鵜足郡(再撰)瀬尾景巌・安井勇平
       ・原田政清・富野克冐,那珂多度郡木谷虎之助・長谷川佐太郎,三野豊田
       郡(再撰)大西量平・森小八郎(愛媛県布達達書)
   1・- 愛媛県讃岐国の林野改租事業が終了(明治初年地租改正基礎資料)
   2 17 明治13年讃岐国の上米平均相場(1石に付き)は,11円24銭3厘2毛
       8絲と布達(愛媛県布達達書)
   3・18 香川郡笠居村を分割し上笠居村・中笠居村・下笠居村とする(内・愛媛県
       史)
   3・25 小西甚之助が県令に宛て「備荒儲蓄法之御布達ノ儀ニ付伺」を出し,前年
       に臨時県会で議決した備荒儲蓄法施行規則は無効であると主張(愛媛県議
       会史)
   3・25 各町村戸長役場新築,修繕費または家屋借受料は協議費で支弁するよう県
       が示達(愛媛県布達達書)
-267-
   5・3 臨時県会が常置委員撰挙のため開会.讃岐国側常置委員福家清太郎・松本
       貫四郎・片山高義(同予備員は綾野宗蔵・堀田幸持・豊田元良)が選ばれ
       る(~5月10日)(愛媛県布達達書)
   5・4 香川郡内町村が一郡内の公共に関する事件の議定のため普通連合会規則を
       定める(山田香川郡布達全要)
   5・10 通常県会開会.「郡役所合併ノ儀ニ付建議」「医学所合併ノ議案下附請求ノ
       儀ニ付建議」「車税ノ国税免除ノ儀ニ付建議」などを可決(~6月29日)
       (愛媛県議会史)
   5・13 香川郡福岡村を分割し福岡上村と下村とする(内・愛媛県史)
   5・21 町村協議費(町村会及び水利土功会で議定した経費)決算書は,前年度分
       を戸長役場で取調べ,毎年10月15日限りで郡役所を経由,10月30日ま
       でに県庁へ報告するよう示達(愛媛県布達達書)
   5・- 県会が高松商法会議所に対する県費補助を可決(愛媛県会筆記)
   6・30 県内を三分して農区を設置する(第1農区は讃岐国一円及び宇摩郡)(愛
       媛県布達達書)
   7・14 県が明治14年度備荒儲蓄金収支予算を6万4871円と定める(愛媛県布達
       達書)
   7・14 明治12年度地方税支弁の経費精算額を告示(計40万4808円12銭)(愛
       媛県布達達書)
   7・14 明治14年度地方税経費予算を66万0573円6銭と定める(愛媛県布達達
       書)
   7・20 那珂郡地方村に団扇製造の及遠社が設立.資本金1000円(県政引渡演説
       書)
   9・10 香川郡安原上村を分割して安原上村と安原上東村・安原上西村とする(内
       ・愛媛県史)
   9・12 大内寒川・三木山田・香川の3郡役所を廃して大内寒川三木郡役所を長尾
-268-
       西村に.(但し当分は津田村に)山田香川郡役所を高松天神前に設置(愛
       媛県布達達書)
   9・13 木村浩蔵を大内寒川三木郡長に任じ,山田香川郡長を兼任させる(愛媛県
       布達達書)
   9・13 郡長事務受渡規則(演説書を作成して引継ぐ)を仮定する(愛媛県布達達
       書)
   9・23 各郡連合農談会規則を定める(愛媛県布達達書)
   10・5 地租改正高松出張所廃止(愛媛県布達達書)
   11・23 山林原野の地租改正は主務省の禀議済みにつき,明治9年に遡っての新税
       施行を讃岐国へ布達(愛媛県布達達書)
   11・- 小西甚之助が国会開設時期短縮の請願を起こそうとしたが県庁の干渉で中
       止(小西甚之助実歴書)
-266-
  社会・文化
   1・10 儒者山田梅村死去(67)高松栗林公園碑を記す(新修高松市史)
   1・19 図書出版願は今後,郡役所を通じて3通提出すべき旨を達(愛媛県布達達
       書)
   1・29 公衆を集めて演説論議する者は,開会前に会主・会員連署で警察署に届け
       出るよう布達(沿革類聚愛媛県布達引書)
   1・29 公衆を集めての演説会には,時宜により取り締まりのため警察官を臨場さ
       せる旨を県が布達(愛媛県布達達書)
   1・- 高橋由一が「琴平山遠望図」等4点を描き上げ「琴平山下石渕川之図」を
       事比羅宮に奉納(金毘羅庶民信仰資料集)
   2・12 郡書記のうち学務担任の者には,教育の大意に通じる者をあてるよう指示
       (愛媛県布達達書)
   2・17 本県徴兵数は次の通り,常備郡=歩兵338人・砲兵10人・輜重兵5人・
       輜重輸卒646人・補充兵=歩兵306人・砲兵7人・輜重兵5人・輜重輸卒
       646人,総計1963人(愛媛県布達達書)
   3・7 聯合町村毎に1人置いていた町村衛生委員の人員数を,1人以上にするか
       否かは町村の協議に委任(愛媛県布達達書)
   3・12 牛乳搾取並販売取締規則を定める(愛媛県布達達書)
   4・15 伝染病死者の埋葬地は人家から2町を隔て井泉河流に近接しない通常
-267-
       墓地を二分して,その一つを使用し新設に及ばぬとの達(愛媛県布達達書)
   4・- 片山冲堂の漢詩文「岳游漫録・付岳游詩草」刊(出版人・中西又市)(香
       川県文学史年表)
   5・30 県が衛生上につき,井泉の構造等に関する飲水取締規則を定める(愛媛県
       布達達書)
   5・- 愛媛県飯山中学校を開設(文部省年報)
   6・25 各郡役所所管に郡医を配置し,伝染病予防窮民救療及び死体検案等に従事
       させる(16年6月30日廃止)(愛媛県布達達書)
   6・- 前年7月以来,歩兵第十二聯隊に240余名の疾病が発生.主に結膜炎と呼
       吸器病(歩兵第十二聯隊歴史)
   7・9 県が窮民救療規則を定める(愛媛県布達達書)
   7・16 虫害予防駆除について各町村会で適宜方法を確定し,速やかに届け出るよ
       う示達(愛媛県布達達書)
   7・- 文芸誌「屋山旭影」創刊.高松の新居活版所から刊行(15年10月,27号
       にて廃刊)(香川県文学史年表)
   8・3 鈴木伝五郎らが高松で「腰抜新聞」を創刊(15年9月廃刊)(高松市史)
   8・8 県が盆踊りを禁止(愛媛県布達達書)
   8・16 産婆営業取締規則を定める(愛媛県布達達書)
   9・13 県が文部卿(#「卿」は旧字)福岡孝弟の「小学校教員心得」を各小学校へ
       頒布,示達(愛媛県布達達書)
   9・13 県が小学校教員心得を制定(愛媛県布達達書)
   9・15 県下に暴風雨襲来し,讃岐国の死者41人,負傷者114人(~16日)(公
       文録)
   9・22 路上での男女混同手踊りを禁
-268-
       止.雨乞踊り等は郡役所に届け出れば許可(愛媛県布達達書)
   9・29 大阪府下でコレラ流行につき高松・丸亀・多度津・三津の4港に検査所を
       設け,入港船舶につき病気の有無を検疫(愛媛県布達達書)
   10・11 若江薫子が丸亀の知人宅で死去(47)京都での三女流歌人の一人(讃岐人
       名辞書)
   10・12 諸新聞雑誌に出された11月に地球転覆の異変が起きるとの記事は全くの
       虚説で,惑わされないよう山田香川郡が達(山田香川郡全要)
   10・12 諸興行賑い等をする者は日限・場所を警察署へ届け出るべき旨を布達(愛
       媛県布達達書)
   10・27 飲食物及玩弄品着色料取締規則を定める(愛媛県布達達書)
   10・27 屠牛場及牛肉販売取締規則を定める(愛媛県布達達書)
   10・29 種痘普及法を定める(愛媛県布達達書)
   10・31 本県小学区画並びに校数を定める(学区数,大内郡16・寒川郡25・三木
       郡15・山田郡15・香川郡53・小豆郡33・阿野郡33・鵜足郡26・那珂郡
       45・多度郡23・三野郡34・豊田郡28)(愛媛県布達達書)
   10・- 国会開設の詔勅を批判したため「腰抜新聞」が発行停止処分を受ける(色
       川大吉「自由民権」)
   12・3 各地に唱える「字」は,土地争訟の審判に要用なので,みだりに改称しな
       いよう指示(愛媛県布達達書)
   12・7 学事に係る議案は学務委員に協議のうえ町村会法に拠り戸長が取扱うよう
       訓令(愛媛県布達達書)
   12・7 予讃両国に郵便函場548個を増設(沿革類聚愛媛県布達引書)
   12・17 開業医で脚気・問歇熱・癩病患
-269-
       者を診察した時は,地元の郡役所に届け出るよう布達(愛媛県布達達書)
   12・24 県内に13の水上警察区(高松・丸亀等)を創設し,各区に巡視船を1隻
       を配置する(愛媛県議会史)
   この年 高松・幻々の俳句集「夢の記念」刊(香川県文学史年表)
   この年 人口1万人以上の都市学事統計によると,高松は学齢人員5926人に対し,
       就学2723人(不就学3202)丸亀は学齢人員2550人に対し,就学988人
       (不就学1562)(文部省年報)
   この年 愛媛県讃岐国の本籍人口60万7380人(香川県人口移動調査報告)

1882 (明治15年)
  政治・経済
   1・12 大内寒川三木郡長泉川健が君子党の結成を呼びかける(愛媛県秘書雑書)
   3・23 通常県会開会.「郡長公選ノ建議」「車税ノ国税免除ノ建議」「砂糖伝習学
       生ノ儀ニ付建議」など可決(~6月10日)(愛媛県議会史)
   3・- 奈良専二が農事改良の功績により農務卿(#「卿」は旧字)西郷従道から功
       労賞を授与(讃岐の誇)
   4・1 小豆郡長森遷が郡吏の県会傍聴を上申(愛媛県秘書雑書)
   4・1 町村戸長役場前等に布告掲示場を未設置の町村は,必ず設置するよう示達
       (愛媛県布達達書)
   4・14 ゴチ網など塩飽海入漁につき,塩飽・下津井漁業協定書を結ぶ(香西漁業
       史)
   4・25 町村協議費の内,蝗害駆除費及び農談会費等の徴収支出は勧業世話係でな
       く戸長が行うべきことを示達(愛媛県布達達書)
   4・28 高松商法会議所が糖業に関する答申書を提出(農務顛末《#「顛」は旧字》)
   4・28 大内寒川三木郡役所を津田村から
-270-
       長尾西村に移転(愛媛県布達達書)
   4・30 坂出村に,食塩・砂糖運送を営む鎌田物産会社設立(資本金15万円)
      (県政引渡演説書)
   5・9 新紙幣5円の見本札を8月7日まで90日間,那珂多度郡役所で展覧する
       (丸亀市文書)
   5・9 稲虫駆除法は各町村人民で協議し,その方法を確定のうえ届け出るように
       と示達(愛媛県布達達書)
   5・11 京極朗徹死去(53)最後の丸亀藩主(讃岐人名辞書)
   5・29 鈴木伝五郎・渡辺克哲・湊亮三・森島鼎三の主唱で「讃予分離ノ檄文」が
       出される.(讃予分離ノ檄文)
   5・- 県会で「郡長公撰ノ儀ニ付建議」を可決(愛媛県会筆記)
   6・3 小西甚之助らが自由大懇親会を長尾村三木楼で開く.7月31日再度開催
       (小西甚之助実歴書)
   6・17 集会条例改正により,これまでに届け出済みの結社も全て管轄警察署へ届
       け出るよう布達(愛媛県布達達書)
   6・19 県が各警察署に所轄内の戸籍人員調査を布達(愛媛県布達達書)
   6・20 高松浜ノ丁弘憲寺で予讃分離請願の有志集会を開く(~22日)6月23日,
       同報告書を出す(予讃分離請願報告書)
   6・23 明治15年度地方税予算69万0957円36銭9厘と定める(愛媛県布達達書)
   7・7 旧高松藩為替貸下金棄捐達を取り消す(愛媛県布達達書)
   7・26 町村会決議及び決算報告は,町村掲示場へ掲示するよう示達(愛媛県布達
       達書)
   8・26 徴兵入営点呼の際,病気その他事故を理由に参集しない者には,戸長から
       理由を詳記して警察署に通報するよう示達(愛媛県布達達書)
   9・27 臨時県会開会.地租割税の誤写を
-271-
       めぐり「明治15年度地方税収支予算議案誤写ノ儀ニ付建議」が出され,
       県令に忠告することを可決(~10月6日)(愛媛県議会史)
   9・- 松山監獄署を愛媛県監獄本署と改称の結果,県庁機構は本局・庶務・勧業
       ・地理・学務・衛生・会計・地租の各課と警察本署・監獄本署の1局7課
       ・2本署となる(愛媛県議会史)
   9・- 松山監獄署高松支署を高松監獄署と改称(愛媛県布達達書)
   11・30 愛媛県地租改正掛を廃止(愛媛県布達達書)
   この年 丸亀で四国自由党懇親会(98人)を開いたが,警察が解散命令を出す(愛
       媛県巡察復命書)
   この年 高松商法会議所,商事慣行に関する答申書を提出(愛媛県布達達書)
   この年 小豆島各村の石丁場を一般に開放(内海町史)
-269-
  社会・文化
   1・10 香川郡中ノ村栗林前に巡査立番所設置(山田香川郡布達全要)
   1・17 学校を借用して,集会を開く際,言語が猥ざつ,詭激にわたるものは取締
       ることを学務委員に指示(愛媛県布達達書)
   1・18 人民が私費で架設の橋梁・道路を制服憲兵が巡行の際,賃銭の請求はでき
       ないと県が布達(沿革類聚愛媛県布達引書)
   1・19 高松の興讃社が「南海日報」を創刊(17年2月廃刊)(南海日報)
   1・28 県が町村立私立小学校設置廃止規則・小学校教則を布達(愛媛県布達達書)
   2・1 愛媛県違警罪条目(全文44条)を施行(愛媛県布達達書)
   2・4 高松常磐橋原標から香川郡内各村中央までの里程を,今月20日までに届
       け出るよう各村長に指示(山田香川郡布達全要)
   2・4 県が路上での新聞雑誌販売を禁止(沿革類聚愛媛県布達引書)
   2・20 丸亀・西条・大洲治安裁判所に
-270-
       軽罪裁判所を開設(愛媛県布達達書)
   2・20 従来の県道2等である丸亀市街通町国道接続地・坂出村・高松市街字広場
       ・出晴・長尾西村・引田村・阿波大坂村を県道1等とする(愛媛県布達達
       書)
   3・2 県が私立学校心得を布達(愛媛県布達達書)
   3・3 電信線の近くでのタコ揚げは,架線にかかって通信妨害となると注意を布
       達(山田香川郡布達全要)
   3・- 高松藩11代228年間の事蹟を儒学者片山冲堂らが記述した「高松藩記」
       が完成(讃岐人名辞書)
   4・22 香川郡役所が学事集会条項を定める.学務委員・教員で構成し授業・学校
       管理・夜学・貧民女子就学等を協議(山田香川郡布達全要)
   5・6 社寺再建または修繕等の名目で,講中の強制勧誘や富籤による金品醵集を
       禁止(愛媛県布達達書)
   5・19 埋・火葬場とも墓地は1町村1か所に限ると示達(愛媛県布達達書)
   5・20 県が学校職員心得を布達(教師は生徒の模範となり知徳を陶冶養成する職
       であり,品行善良にして学術を研究するように)(愛媛県布達達書)
   6・29 鼠取・蝿取薬等を受売行商をする者は,製剤者連署して郡役所へ届け出る
       ようにと布達(愛媛県布達達書)
   6・- 文部大書記官西村茂樹が県内の学事状況を視察(愛媛県教育史)
   7・20 伝染病患者の運搬は,所在の衛生委員及び医師の認可を得なければできな
       い旨を告示(山田香川郡布達全要)
   7・22 私立学校は許可なく開業できない旨を達(山田香川郡布達全要)
   8・1 内国絵画共進会開設のため,これに出品する者を山田香川郡から勧誘(陳
       列費・運搬費を地方税から補助の
-271-
       旨達)(山田香川郡布達全要)
   8・12 西洋形船舶の新規製造者は,三津(三津浜)港へ回送のうえ検査を受ける
       よう布達(愛媛県布達達書)
   8・30 愛媛県社寺境内伐木取扱概則を定める.風致木を第1類,目通り1丈以上
       を第2類とし,この2種は伐採を許可しない(愛媛県布達達書)
   9・6 高松市街北古馬場,福善寺内に高松検疫所を設置(山田香川郡布達全要)
   9・15 1郡内の小学校で,同名称を付けないよう達(山田香川郡布達全要)
   10・4 学校生徒が,みだりに学術演説をするのは教育上不都合のため,してはな
       らない,公衆を集めすに行う場合,不都合なしと認めるものに限り許可す
       る旨を達(山田香川郡布達全要)
   10・5 学齢児童には,学務委員の督促を待たずに速やかに就学させるよう告諭
       (山田香川郡布達全要)
   11・13 県が愛媛県中学校教則を布達(愛媛県布達達書)
   11・16 新兵入営の際,軽微な疾患を名目に延期を請願する者があるから戸長で注
       意するよう達(山田香川郡布達全要)
   11・18 1月制定の就学督責規則中,疾病及び貧〔ロウ〕(#「ロウ」は文字番号7285)
       の2項で郡長が不就学を許可すべき程度について定める(愛媛県布達達書)
   11・20 およそ400年前の建造で現存する社寺・堂塔の類を取り調べの上,明年2
       月15日までに県庁へ報告するよう達(愛媛県布達達書)
   12・- 入谷澄士(歌人名・桂舎,俳人名・待月)死去(77)(香川県文学史年表)
   この年 高松七番丁に高松英語学校開設(開設者・羽原半五郎)(高松市史年表)
   この年 愛媛県讃岐国の本籍人口61万8310人(香川県人口移動調査報告)

-272-
1883 (明治16年)
  政治・経済
   1・31 予讃分県有志集会の意を受けて鈴木伝五郎が「豫讃ヲ割キ讃岐ニ1県ヲ置
       キ高松ニ県庁ヲ設置スル上願書」をまとめる(「豫讃ヲ割キ県庁ヲ設置ス
       ル願書」)
   2・9 山田香川郡長が高松に郡役所を新築につき,県令代理大書記官に開申.新
       築用地は2反歩(愛媛県会資料)
   2・15 予讃分県の有志が会合し,請願上京委員に鈴木伝五郎ら3名を選出(南海
       日報)
   2・18 三木郡平木において小西甚之助を議長に実学討論会開催(小西甚之助実歴
       書)
   2・23 寒川郡長尾西村長尾寺において愛媛県の農談会開催(愛媛県各郡聯合農談
       会録)
   3・28 通常県会に先立ち議員が集会した「予備県会」を県令が差止めを指令(愛
       媛県議会史)
   3・30 通常県会開会「車ノ国税免除ノ儀ニ付建議」を可決(~5月2日)(愛媛
       県議会史)
   4・6 明治15年の讃岐国上米平均相場は1石に付き,8円23銭2厘1毛3絲と
       県が発表(愛媛県布達達書)
   4・15 土庄村西光寺境内で小豆郡物産共進会開催(出品は醤油(#「醤」は旧字)
       ・素麺・砂糖・食塩・米・麦・甘藷・5月4日まで)(南海日報)
   4・23 明治16年度地方税予算の県会議決に対し,関県令が再議を指令(愛媛県
       議会史)
   4・24 県会が「車ノ国税免除ノ建議」を議論中,関県令が中止を命令.翌25日
       県会は「県令ト県会ト法律ノ見解ヲ異ニシ御裁定ヲ乞フ書」を参事院への
       建議を準備する.28日県会再開(愛媛県議会史)
   5・1 県会が関県令に宛て「議員招集状
-273-
       取扱方ノ儀ニ付建議」を提出(愛媛県議会史)
   5・3 渡辺克哲,森島鼎三が予讃分離の請願書を内務省に提出するが,所定の手
       続きを踏んでいないとして却下される(南海日報)
   5・4 愛媛県が巡査配置請求規則を制定.銀行,会社または個人が巡査の配置を
       請願する時は,巡査1名につき1か年140円,次年より120円を前納する
       こととする(愛媛県布達達書)
   5・12 県下の国立銀行が結集して,予讃同盟銀行が発足(明治22年5月解散)
       (愛媛県史)
   6・23 明治16年度地方税支出予算,県会議決のうち警察費など6費目に対し,
       関県令は内務卿(#「卿」は旧字)の指揮を受けて原案執行する(愛媛県布
       達達書)
   6・30 明治16年度備荒儲蓄施行規則の県会議決,内務卿(#「卿」は旧字)が許
       可(愛媛県布達達書)
   7・5 阿野郡坂出村に,製塩紹介を営む塩商社を設立(県政引渡演説書)
   8・20 板垣退助帰郷の際,大阪中之島で関西大懇親会が開かれ,県内からは鈴木
       伝五郎が出席(自由党史)
   9・24 関県令が「勧業委員及ヒ勧業会設置之義ニ付上申書」を提出(愛媛県布達
       達書)
   10・2 明治12年の採藻取締及び収税規則は,12月満期のところ県会決議により
       17年1月から19年6月まで延長施行(愛媛県布達達書)
   10・30 海軍省から岡山・広島・山口・愛媛の4県から水兵400名を募集.年齢は
       満15年以上21年以下,服役年限は4等水兵に昇給の日から満10か年(愛
       媛県布達達書)
   10・- 木村綱太郎・対馬晋三が「旧藩貸下金に関する処分不服の訴え」を起こす
       (明治17年8月原告側の敗訴)(上野家文
-274-
       書)
   12・4 四国自由大懇親会交通委員が来訪,長尾村三木楼で会合(小西甚之助実歴
       書)
   この年 従来藩有で,その後政府所有となっていた塩田がそれまでの浜百姓に払い
       下げられる(管内重要産物沿革調査書)
   この年 参事院技議官山尾庸三が「愛媛県巡察復命書」を提出.(1)(#「(1)」
       は丸数字)分県運動が盛んなること(2)(#「(2)」は丸数字)四国自
       由党懇親会を高松で開催(3)(#「(3)」は丸数字)自由党員4人同調
       者91人,改進党員81人同調者14人,帝政党員2人同調者9人,独立民
       権家2人などを報告(愛媛県巡察復命書)
-272-
  社会・文化
   1・9 巡査の制服が今月から羅紗服に改められる(南海日報)
   1・12 高松中学資金徴収のため,高松法泉寺で山田香川郡町村聯合会を開設(山
       田香川郡布達全要)
   1・25 北海道移住志願者に対し,1か年間の衣食に余裕がなければおぼつかない
       ことを郡戸長から説諭するよう指示(愛媛県布達達書)
   2・2 徴兵忌避のため嫡男を廃して二,三男を相続嗣子とする風潮を戒めるよう
       町村に示達(愛媛県布達達書)
   2・3 宮武昭(外骨)が「世ノ青年輩ニ告グ」と題して南海日報に投書(南海日
       報)
   2・8 高松中学校に高等科増設.満12歳以上の寄宿生40名・通学生30名を募
       集(南海日報)
   2・15 県がフグの販売につき乾魚以外の販売を禁止する(愛媛県布達達書)
   2・19 宮脇村亀阜学校内に夜学舎を開校(南海日報)
   2・20 路傍厠〔セイ〕(#「セイ」は文字番号4797)(公衆便所)取締規則を定
       める.5月1日から施行(愛媛県布達達書)
   2・23 中学校の学期は3月1日から7月31日までを前学期,9月1日から2月
       28日までを後学期とする(愛媛県布達達書)
   2・26 香川郡兵庫町,洋々社から「讃陽発育雑誌」発行.1部2銭(南海日報)
   2・- 事比羅宮奉納「北海道札幌県胆振国幌別郡開墾略図」により鵜足・那珂・
       多度・三野・豊田郡各村から47名以上の北海道移住者のいたことが判明
       (讃岐国移民団の北海道開拓資料)
   3・15 県が医学校及び薬学校通則を定
-273-
       める(愛媛県布達達書)
   3・28 慣行があるもの以外,河川水門堰埋樋等を新設する際は出願するよう布達
       (愛媛県布達達書)
   3・- 香西浦と下津井の漁民の間で瀬居島漁場をめぐる紛争が起きる(香西漁業
       史)
   5・5 香川郡中ノ村,南海日報仮編輯長中村栄太郎(18)が新聞紙条例違反で松
       山軽犯罪裁判所で禁固・罰金刑を言い渡される(南海日報)
   5・19 木田郡牟礼村の洲崎寺で,佐藤次(継)信の700回忌法要と,源平合戦戦
       死者招魂祭を行う(南海日報)
   5・26 東京地理局から「高知の南西,晴雨計低し,暴れあるべし」との急報を受
       け,県から「暴れあるべし気を付け」との電報(山田香川郡布達全要)
   5・- 片山冲堂の快気祝賀集,植田有年編の漢詩「又生集」刊行(香川県文学史
       年表)
   6・18 高松病院に設置の医学校を廃止(愛媛県布達達書)
   6・22 公立高松・松山両病院を県立高松・松山病院と改称(愛媛県布達達書)
   6・26 山田香川郡役所が新聞紙及び雑誌の売り捌き人に住所・身分の提出を示達
       (山田香川郡布達全要)
   6・- 大阪の戎座で弘法大師千五十年忌として「弘法大師御伝記」を上演(香川
       県文学史年表)
   7・6 明治12年仮定の国・県道を改定.下津井・丸亀港・同市街・和田浜・松
       山県庁を国道3等に,丸亀市街通町・坂出村・高松市街兵庫町・長尾西村
       ・引田村・坂元村を県道1等に,高松市街通町・土庄港と大野原国道接続
       地・観音寺村を県道2等に改定(愛媛県布達達書)
   7・15 愛比売新報(松山)が琴平に
-274-
       移って布多那新報と改題(愛媛県史)
   8・20 県が小学校教育を監督指導するため巡回訓導を置き,その設置規則・職務
       心得を布達(愛媛県布達達書)
   8・27 高松砂糖会社が「産業雑誌」を発行し,糖業関係の記事・官報を掲載(産
       業雑誌)
   8・- 香東川大野堰掛りの大野村と下流の吉光村など7か村の間で水論が発生
       (高松地方裁判所記録)
   8・- 片山冲堂の漢詩文「六石亭詩文鈔」を東京の水谷弓夫が出版(香川県文学
       史年表)
   10・4 琴平山皇道学会の私立明道学校創設認可(御布告)
   10・12 愛媛県師範学校附属小学校規則を定め,10月18日から開校(愛媛県布達
       達書)
   12・3 本県士族吉本義秋著「新珍奇自由号譚」は本邦政略に関して不都合がある
       ため,11月13日出版発売を差し止めると図書局長から那珂多度郡役所に
       通知(丸亀市文書)
   12・- 三野・豊田郡が教員講習所を拡充して,三野豊田初等師範学校を同郡立中
       学校に開設(翌17年閉鎖)(文部省年報)
   この年 愛媛県讃岐国の本籍人口62万6421人(香川県人口移動調査報告)
   この年 讃岐国の伝染病患者数( )内は死亡者数.赤痢3483(1137)コレラ33
       (11)腸チフス801(207)発疹チフス43(9)痘瘡3(0)ジフテリア
       23(13)(明・香川県史)

1884 (明治17年)
  政治・経済
   2・6 民情視察のため井上参議・芳川内務少輔が大内郡引田に来着.小西甚之助
       が地方の状況を具申(小西甚之助実歴書)
   2・20 第4回愛媛県聯合農談会で小西甚
-275-
       之助提案の粗悪米問題を審議(愛媛県農談会録事)
   2・- 那珂郡丸亀町に,丸亀銀行設置(資本金5万円)(香川県統計書)
   3・1 違警罪を改正し,3月15日から施行(愛媛県布達達書)
   3・21 臨時県会開会.「明治16年度備荒儲蓄施行規則及び収出予算改正」議案を
       否決(~27日)(愛媛県議会史)
   3・28 通常県会開会.「高松病院新築費支出予算」を修正可決,「師範学校生徒募
       集区制定ノ儀ニ付建議」を可決(~4月26日)(愛媛県議会史)
   4・19 車税規則中・免税扱いの耕作専用の荷車とは,直接耕作に使用する車を指
       し,肥料売買先からの運搬車ではない点に留意するよう県が達(愛媛県布
       達達書)
   5・- 十州塩田同業会(播磨・備前・備中・備後・安芸・周防・長門・伊予・讃
       岐・阿波の製塩業)を創立.事務所を丸亀に,讃岐支会を高松兵庫町にそ
       れぞれ設置(十州塩田組合紛議始末概略)
   6・5 自由党関西有志懇親会開催.讃岐からの出席者は鈴木伝五郎・久保財三郎
       ・藤井繁次・青木茂樹・児島稔・渡辺克哲・田村堅吾・平尾恒次・平尾繁
       次・吉本幾次・中野粛一(自由党史)
   6・28 愛媛・高知両県令連署で「予土横断道路」開鑿工事費の国庫補助を内務卿
       (#「卿」は旧字)に申請(愛媛県議会史)
   7・10 県が町村会規則を改正.町村会議員は500戸未満5人,500戸以上800戸
       まで6人,800戸以上300戸毎に1人を増すが,総勢は10人までとする
       (愛媛県布達達書)
   7・15 町村会で議定すべき費目は,戸長役場費・会議費・土木費・教育費・衛生
       費・救助費・災害予防費・警備費(8月追加,勧業費・町村共有物件取扱
       費)とし,徴収方法は地価割・反別割・戸別割
-276-
       ・営業割とする(愛媛県布達達書)
   7・- 高松商法会議所,商事慣行に関する答申書を提出(愛媛県布達達書)
   8・1 那珂多度郡長が勧業上の工場・会社の開設を華美にしないよう注意を通達
       (丸亀市文書)
   9・6 県が徴兵適齢及び兵籍編入者の失踪逃亡の取締り方法を定める.徴兵適齢
       者の旅行あるいは寄留出稼ぎ等の際は,届出書に戸主2名以上から臨時呼
       び戻すべき旨を連署した保証書を添えて,戸長へ届け出ること(愛媛県布
       達達書)
   9・10 臨時県会開会.明治17年度地方税支出予算追加中,監獄費等を可決(~16
       日)(愛媛県議会史)
   9・10 県が兵事協議会設置仮規則を定め,協議により兵事事務取扱いが不統一に
       ならないよう示達(県内を3区に分け讃岐国は第1区)(愛媛県布達達書)
   9・12 県が兵役志願者奨励心得を布達(愛媛県布達達書)
   9・15 兵事に関する事項を集談するため,各町村内に兵事集談会を設置(愛媛県
       布達達書)
   9・15 帰休兵予備役及び後備兵等の非常召集準備概則を定める(愛媛県布達達書)
   11・1 寒川郡津田村で漁談会を開催(愛媛県水産例規)
   11・19 高松藩士族に就産起業資金として,願い出があった5件に合計1万9336
       円20銭の貸下げを認める(公文雑纂)
   12・13 明治19年度以降,会計年度を4月1日から翌年3月31日までを1周年度
       と定めることを示達(18年度は7月1日から翌年3月31日までの9か月
       とする)(愛媛県布達達書)
   12・25 町村戸長は県令が選任(戸長官選制)することになる(戸長公選制を廃止)
       (愛媛県布達達書)
   12・25 県が従前の町村戸長役場を廃し,
-277-
       さらに町村戸長役場管轄の区域及び役場の位置を布達(明治18年1月15
       日から施行)(愛媛県布達達書)
   12・25 数か町村を管轄する戸長役場(聯合戸長役場)に備え置く帳簿書類等はな
       るべく各町村ごとに調成し,混雑しないよう指示(愛媛県布達達書)
-274-
  社会・文化
   1・10 各町村衛生委員に毎月の種痘人員を郡役所経由で報告を義務づける(愛媛
       県布達達書)
   1・23 官公立学校で退学を命じられた
-275-
       学生は町村立学校・私立学校への入学も禁止するよう学校規則に掲載を指
       示(愛媛県布達達書)
   1・- 琴陵宥常等が琴平に夜学所を開設.20歳に達した働く者に3時間の読み
       書き算盤を教授,1か年授業233日,生徒人員61名(琴平町史)
   2・2 学区ごとに定めると不統一になるため,県が小学聯区教務研究会規則を制
       定(愛媛県布達達書)
   2・- 三井竹窓修纂による漢詩文日柳操志(日柳家私家版)刊行(香川県文学史
       年表)
   3・1 三野郡財田上ノ村の大久保彦三郎が自宅に「忠誠塾」を開設.漢籍学習を
       教える(尽誠学園百年史)
   3・4 県が開業医師組合規則を定める(愛媛県布達達書)
   3・10 金刀比羅崇敬会本部が内務卿(#「卿」は旧字)の許可を得て,金刀比羅
       宮宝物を縦覧させる.6月10日までの90日間(布多那新報)
   3・14 県が賭博犯処分細則を定め,各警察署で施行(愛媛県布達達書)
   3・17 県が街路取締規則及び街路掃除心得を布達.戸長・衛生委員は受持町村を
       巡視し,道路溝渠下水塵溜塵捨場等の清潔に注意するよう指示(愛媛県布
       達達書)
   3・17 県が質屋営業取締規則を定め,4月1日から施行(愛媛県布達達書)
   3・22 着色疑似の茶を製造販売する者があるため,茶業従事者は茶業組合準則に
       基づき組合を設立して規約を設け,県庁の認可を受けることを達(愛媛県
       布達達書)
   3・24 防犯警火のため夜回りを行う者は,警察の鑑札を携帯するよう示達.(鳴
       物は拍子木のみ)(愛媛県布達達書)
   3・- 高松の新居政七が水野秋彦の
-276-
       「延喜式祝詞諺解・首上中下巻」4冊を出版(香川県文学史年表)
   4・22 県が人力車営業取締規則並びに営業人心得を定める.営業者は町村ごとに
       組合を設けて警察署へ届け出ることとする(愛媛県布達達書)
   5・2 里道等級基準を定める.1等は数区を貫通するもの,2等は用水堤防牧畜
       等のため別段に設けるもの,3等は神社仏閣田畑耕耘のために設けるもの
       とする(愛媛県布達達書)
   5・5 小学校裁縫科の婦人教師雇い入れが困難なため,村落内の裁縫家塾に委嘱
       して学ばせる(愛媛県布達達書)
   5・20 県が人力車営業取締規則を実施1人乗りに2人・2人乗りに3人以上乗せ
       ないことなどを規定(愛媛県布達達書)
   6・5 県が従来の巡回訓導を小学督業と改称(明治18年7月10日,県が師範学
       校訓導を小学督業に任じ,督業規定・講習と学校巡視規則を定めて小学校
       教員の指導監督を強化)(愛媛県布達達書)
   7・1 県立8中学校を整理して3中学校に統合.第1中学校(松山)第2中学校
       (高松)第3中学校(宇和島)を置き,大洲・西条・越智・亀山・飯山中
       学校は廃止(愛媛県議会史)
   7・16 県が那珂多度郡長から伺いのあった丸亀市街の中学予備学校の創設を認可
       (丸亀市文書)
   8・1 三野豊田郡師範学校運動場に体操伝習所を置き,郡内小学校員各1名(女
       教員を除く)を集めて伝習する(~30日)(大野原町文書)
   8・19 本県師範学校教則中学科修業年限1か年半を2か年課程に改正(愛媛県布
       達達書)
   8・- 日柳燕石の漢詩文柳東遺稿(日
-277-
       柳家自家版)刊行(香川県文学史年表)
   10・1 神社祭典・神輿渡御の際,神輿をかつぎ門戸を破壊する等の行為をしない
       よう取締りを各町村及び警察署に示達(愛媛県布達達書)
   10・3 松山・多度津両駅逓区内の各郵便区画(郵便受取所・郵便掛函・切手売下
       所柱函・切手売下所別を明示)を定める(愛媛県布達達書)
   11・7 那珂郡吉野上・丸亀市街西組・多度郡多度津村の戸長が県に県立中学増設
       の願いを提出(丸亀市文書)
   11・11 従来,戸籍帳簿に記載の各自の宗旨は今後,記載不必要(愛媛県布達達書)
   この年 藤沢東畝の漢文「東畝文集」刊行(香川県文学史年表)
   この年 愛媛県讃岐国の人口63万3828人・所帯数13万9840戸(香川県人口移動
       調査報告)
   この年 讃岐国の伝染病患者数( )内は死亡者数.赤痢3926(1056)コレラ32
       (8)腸チフス924(233)発疹チフス59(15)ジフテリア55(27)(明
       ・香川県史)

1885 (明示18年)
  政治・経済
   1・5 高松砂糖会社と興民社が合併して讃岐糖業大会社を設立.発起人は大内郡
       馬宿村の久保武吉外23名.本社を高松通町に,支社を三本松に置く(県
       政引渡演説書)
   1・15 従来の町村戸長役場に代えて連合戸長役場を設ける(明治17年12月25
       日布達)この基準の改正で998役場から461役場に縮減.讃岐国は大内寒
       川三木郡役所所轄30・小豆同13・山田香川同39・阿野鵜足同32・那珂多
       度同32・三野豊田同30となる(愛媛県布達達書)
   2・16 県内における博覧会共進会及物産
-278-
       会開設手続を制定(愛媛県布達達書)
   2・17 摺付木製造に黄燐の使用を禁止(愛媛県布達達書)
   2・18 奈良専二が「農家得益弁」を著す(農家得益弁)
   2・25 3農区合同の各郡聯合農談会を松山で開催(愛媛県布達達書)
   2・28 地方税戸数割貧富酌量方及び町村費戸数割貧富酌量方は,県庁の裁可を必
       要とせず,町村会で議定するよう示達(愛媛県布達達書)
   3・14 地押調査につき県達(愛媛県布達達書)
   3・18 臨時県会で明治16年度警察費等不足2037円を追加議決(~21日)(愛媛
       県議会史)
   3・18 勧業世話掛を廃止し,勧業委員を設置(愛媛県布達達書)
   3・21 明治18年度通常県会開会(~4月19日)(愛媛県議会史)
   3・24 町村費は明治19年度以降,その年の4月1日から翌年3月31日までを1
       周年度とする(愛媛県布達達書)
   3・28 数町が集まって1区域を成すところは総称を冠するよう県が指示.讃岐で
       は高松・丸亀が該当(愛媛県布達達書)
   4・17 旧藩時代の勧業上の制度慣行等を調査し,県に報告するよう各郡へ示達
       (愛媛県布達達書)
   4・20 臨時県会で明治17年度備荒儲蓄施行規則追加及び収出予算修正の件を審
       議(~24日)(愛媛県議会史)
   5・1 産業の改良進歩を図る趣旨に基づき,県が勧業会設置準則を定める(愛媛
       県布達達書)
   5・10 河川漁事制限を定める(愛媛県布達達書)
   6・6 潜水器械を使用して採介(貝)することを禁止(愛媛県布達達書)
   6・13 官林取締規則を定める(入林鑑札
-279-
       を携帯しない者の立ち入り禁止など)(愛媛県布達達書)
   6・22 勧業諮問会を設置し,その規則を定める(愛媛県布達達書)
   6・27 明治18年度地方税収出予算を52万1514円97銭と定める(愛媛県布達達
       書)
   7・- 坂出譚話会が設立され,民権拡張のため学習会を開催.雑誌「坂出譚話会
       報告」を発行(坂出譚話会報告)
   8・1 農商務省特達により,十州塩田同業会を十州塩田組合と改称し,年間6か
       月に生産制限することを促し,9月7日施行(十州塩田組合紛議始末概略)
   10・24 町村会規則を改正.議員の数は10名とし,定数のほか3名の補欠員を設
       けることができる旨を布達(愛媛県布達達書)
   11・16 安井勇平・小西甚之助らが「予讃ヲ分割シ讃岐高松ニ県庁ヲ設置スルノ儀
       ニ付建言」を内務卿(#「卿」は旧字)に提出(置県五十周年記念誌)
   11・19 山田政平・小西平作・安達清蔵・高坂柳軒・小田知周が連名で「独立置県
       旨趣要領」を同志に頒布し,分県の署名活動を行う.阿波に合する意見や,
       伊予との合併論に対し1国1県を嘆願(独立置県旨趣要領)
   11・20 明治19年度通常県会.水上警察廃止決議に対し県令が再議を指令(12月10
       日)のちに原案執行(12月16日)(愛媛県議会史)
   12・- 香川郡栗林村に,讃紙株式会社設立.資本金1万2500円(香川県統計書)
-277-
  社会・文化
   1・17 学齢未満の幼児は小学校でなく幼稚園入園の方法により保育するよう県が
       指示(愛媛県布達達書)
   1・- 相馬九方の漢詩文「立誠堂詩文存」(晩晴楼蔵版)刊行(香川県文学史年
       表)
   2・5 公私立学校生徒が多数集合し,躁暴危険,奇異の行動をしないよう学校教
       員等で厳重取締りをするよう県が示達(愛媛県布達達書)
   2・7 県令が貯金奨励を告諭(愛媛県布達達書)
   2・13 土佐・阿波・讃岐の三国に通じ
-278-
       る路線開鑿につき,高知・徳島・愛媛の3県が工法等を申し合わせる(愛
       媛県土木例規)計画工区は丸亀・多度津・両港から琴平経由,猪ノ鼻峠を
       越え池田・大杉を経て高知から松山に至る280,361キロメートル(財田町
       史)
   2・19 士族で北海道屯田兵志願者は3月15日までに郡役所へ出願のこと(屯田
       兵志願者心得書)5月15日屯田兵条例を布達(愛媛県布達達書)
   2・20 路上で諸車牛車が行き遇う時は,互いに左側に寄ること.但し,軍隊砲車,
       輜重車に行き遇う時は右側に避けることを県が布達(愛媛県布達達書)
   2・24 遊芸稼ぎの免許が交付されない者には,定小屋寄席での歌舞・浄瑠璃等出
       演を許可しない旨を布達(愛媛県布達達書)
   3・27 競馬を行おうとする者は,その日時場所等を記し警察署へ出願の旨を布達
       (愛媛県布達達書)
   4・14 道路並木が立ち枯れ,風折れ等のまま放置されているのは不都合につき,
       今後は並木払下代は並木植継費に限り下げ渡す旨を布達(愛媛県布達達書)
   6・1 三野豊田郡中学予備学校規則を制定.高等中学校に入るための必須学科を
       授業する.18学科で修業年限4年(大野原町文書)
   6・1 郵便物は速達を要するため道路修繕等の際も,郵便物逓送に限り通行を許
       可する旨を示達(愛媛県布達達書)
   6・- 志度村多和神社祠官松岡調が邸内に多和文庫を建設.古文書・古写本・絵
       画・考古学上の発掘物等5000点を収蔵(志度町史)
   6・- 香東川芦脇堰の修築方法をめぐり,岡村と川東上村の間で水論が発生
-279-
       (高松地方裁判所記録)
   7・20 愛媛・徳島・高知3県令連署で「四国新道開鑿費御補助之儀ニ付稟申」
       を内務省に提出.9月8日認可(愛媛県議会史)
   7・- 東讃岐地方に風水害.寅年(明治11年)以来の洪水で被害甚大(愛媛県
       議会史)
   8・19 文部省が府県・町村立学校で原則として授業料徴収を指示(近代日本総合
       年表)
   9・2 四国新道開鑿費に対して国庫から総工費の三分の一の補助が認可(公文録)
   10・6 関県令が教育令改正につき,本県の教育は全国水準以下であるから,県民
       は子弟の教育に励むよう督励を告諭(愛媛県布達達書)
   10・- 片山冲堂の漢文「六石亭剰稿・鴻鯉編」(上下2冊・植田竹次郎輯)を徳
       島の中西又市が刊行(香川県文学史年表)
   11・5 県が水利土功会規則を定める(愛媛県布達達書)
   11・10 従来誤解により無益の労費が多かった土地丈量法につき,参考のため土地
       丈量心得書が下付されたので今後は誤りのないよう注意の旨を示達(愛媛
       県布達達書)
   11・12 県が学区会(町村の境界と区域を異にする学区内の会議)規則を定める(愛
       媛県布達達書)
   11・13 臨時県会.四国新道開鑿のため,18年度から22年度土木費中道路新開費
       25万6854円の5か年分割を審議.修正可決(~19日)(愛媛県議会史)
   11・16 県が各町村災害予防儲蓄法準則を定め,18年度から施行(愛媛県布達達
       書)
   11・- 藤川黒斎死去(78)漆芸家玉楮
-280-
       象谷の弟(高松市史)
   12・11 県が種痘施行細則を定める(愛媛県布達達書)
   この年 愛媛県讃岐国の本籍人口64万5355人(香川県人口移動調査報告)
   この年 讃岐国の伝染病患者数( )内は死亡者数.赤痢5185(1339)コレラ86
       (52)腸チフス680(151)発疹チフス27(6)痘瘡18(1)ジフテリア
       74(33)(明・香川県史)

1886 (明治19年)
  政治・経済
   1・4 身体軟弱のため徴兵志望を達せない者があるが志望者は体格養成に遺憾の
       ないようにと県令が告諭(愛媛県布達達書)
   1・9 同郷の壮士をを奮って兵役に従事させる目的で,三野豊田郡が振武義会仮
       規則を制定(大野原町文書)
   1・29 田圃耕作物虫害予防及び駆除規則を定め4月1日から施行(愛媛県布達達
       書)
   2・10 県水産取締規則を定め4月1日から施行(讃岐国は6水産区)(愛媛県布
       達達書)
   2・- 瀬居島漁場紛争は大阪控訴院で高松側勝訴の判決(香西漁業史)
   3・6 四国新道の新開予算が臨時県会で議決され,政府の認可を得て定める(愛
       媛県布達達書)
   3・- 東讃の製塩業者が製塩期間の制限撤廃を求める嘆願書を県に提出(十州塩
       田組合紛議始末概略)
   4・1 県令が那珂郡丸亀通町外22か町戸長から上申のあった災害予防儲蓄規則
       の発布を認可(丸亀市文書)
   4・26 臨時県会.18年度土木費に5860円追加(東讃洪水対策費)伝染病予防費
       に1万7310円追加,19年度土木費に2万5848円追加(東讃洪水対策費)
       (愛媛県議
-281-
       会史)
   4・28 町村費不納者処分手続きを定める(愛媛県布達達書)
   4・- 水産資源保護のため愛媛県水産取締規則施行(愛媛県水産例規)
   5・1 徳島で四国3県連合共進会を開催(砂糖・茶・葉煙草・紙・織物を出品,
       同月31日まで)(愛媛県布達達書)
   6・26 博覧会共進会及物産会開設手続を博覧会共進会其他類似の会開設手続に改
       定(愛媛県布達達書)
   6・- 高松に下津製燧所創業(前身は蜂蟻社)(香川県統計書)
   7・1 丸亀逓信管理局を丸亀富屋町9番地に開設(10月2日丸亀浜町3番地へ
       移転)(愛媛県布達達書)
   7・20 地方官官制(勅令)により県令を廃して知事を置く.県令関新平を愛媛県
       知事に任命(愛媛県布達達書)
   8・4 地方官官制により次の県庁部課を設置.第1部(議事・文書・農商・庶務
       の各課)第2部(土木・兵事・学務・監獄・衛生・会計の各課)収税部(賦
       税・徴収・徴税費・検税の各課)警察本部(第1・第2・第3・第4の各
       課)但し9月6日,衛生課を廃して衛生事務は学務課の取扱いとする(愛
       媛県布達達書)
   8・4 県令達類の区分を定める.管内一般へ令達するものを「県令」.郡役所・
       戸長役場・警察署・監獄署への令達は「達甲」.郡役所への令達は「達乙」.
       官内一般へ県知事の名で公告するものを「告示」.県名で公告するものを
       「報告」(愛媛県布達達書)
   9・- 豊田郡五郷山が関係16か村の部分林として認められる(五郷山部分林史)
   10・7 明治19年度地方税支出伝染病予防費.追加予算は常置委員会の議決を認
       め難く,内務大臣の指揮を受ける(愛媛県布達達書)
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   10・25 臨時県会.19年度土木費に22万7174円追加(暴風雨被害対策費)19年
       度予備費に4049円追加(衛生費剰余)教育費3万5463円を中学校廃止に
       より2万7236円に更正(~31日)(愛媛県議会史)
   11・1 明治20年度通常県会.「地方税ノ公費節減ノ建議」を可決.四国新道開鑿
       中止請願の建議案が提出されるが不採用(~30日)(愛媛県議会史)
   この年 香川郡百相村の県勧業試験場の試験事業を旧高松藩士族70余名と同地の
       有志に委託(県政引渡演説書)
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  社会・文化
   1・29 人力車所有者の遵守事項として,夜間灯火をつけずに車を挽かせない,火
       災の節はその場所から2町以内に車を入れない等を布達(愛媛県布達達書)
   2・10 新聞紙雑誌雑報発売処及び発売人から受売りをしようとする者は,警察署
       に届け出ること(愛媛県布達達書)
   4・7 四国新道開鑿起工式を煙火3発を合図に事比羅宮神事場で開催.愛媛・高
       知・徳島3県令をはじめ関係者5000余人が参列,式後,舞踏・相撲・諸
       芸・撃剣・猿楽などの余興を催す(愛媛県議会史)
   4・30 町村在籍の乞食には親族や町村で仕事を与えて生計を立てさせ,町村非在
       籍の乞食には米・銭を与えないよう県が告示(愛媛県布達達書)
   5・1 県師範学校内に附属幼稚園を仮設(愛媛県布達達書)
   5・17 医師はコレラ病患者を診断した時,患者の住所姓名を警察署または戸長役
       場に急報する旨を布達(愛媛県布達達書)
   5・22 県下にコレラ病蔓延のおそれがあるため,当分,祭典,劇場等群集を停止
       (愛媛県布達達書)
   5・29 高松市街及び丸亀近辺にコレラ
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       が発生.蔓延の兆しがあるため高松・坂出・丸亀に検疫所を設置(愛媛県
       布達達書)
   5・- 坂出町の有志により済々学館開校(香川県大百科事典)
   7・- 香東川二ノ井堰取水路の底堀工事をめぐり,二ノ井堰掛りと下流の新井堰
       掛りの間で水論が発生(高松地方裁判所記録)
   8・2 1県1中学校の規定により県立第二(高松)第三(宇和島)中学校を廃止
       (愛媛県布達達書)
   8・21 暴風雨(9月10日・24にも)河海堤防決壊・道路橋梁破損等の被害甚大
       (愛媛県議会史)
   9・9 赤痢病隔離消毒施行順序を示して予防を奨励(愛媛県布達達書)
   9・12 讃岐教育会第1回集会を県立第二中学校で開く(讃岐教育会雑誌)
   10・14 来年の屯田兵を県下士族で43戸募集(膽振国室蘭郡輪西村)(愛媛県布達
       達書)
   10・26 東京の春木座で「金毘羅利生記」(脚本作者竹柴進助・奈河三根助)上演
       (香川県文学史年表)
   10・- 「讃岐国名所図絵」の插絵画家安原枝澄死去(71)(新修高松市史)
   11・26 女児の高等小学校入学者が少ないため,尋常小学校に裁縫科を加える旨,
       知事から文部大臣に伺い(12月14日認可)(愛媛県学事文書)
   11・27 県道を改定.丸亀市街通町・坂出村・高松市街通町・塩屋町・元山村・長
       尾西村・引田村・坂元村を県道1等に.高松市街通町・土庄港.豊田郡大
       野原・観音寺村を県道2等に.多度郡下吉田村・琴平村・中村・多度津港
       .丸亀市街通町・横町・多度津村を県道3等にする(愛媛県布達達書)
   12・1 県下の警察区画を改正.讃岐国
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       は三本松,長尾,高松,土庄,坂出,丸亀,多度津,観音寺の8警察署と
       平木,坂元,百相,滝宮,栗熊,琴平,高瀬の7分署となる(愛媛県布達
       達書)
   12・3 県が小学校教則を定め,学科を尋常小学科・高等小学科に分ける(愛媛県
       布達達書)
   12・4 県が小学簡易科教則を定め,尋常小学科を履修できない者のため,読書・
       作文・習字・算術を1日3時間授業,修業年限3か年を設ける(愛媛県布
       達達書)
   12・4 県が高等及び尋常小学校の小学校則を定める(愛媛県布達達書)
   12・4 学齢児童就学規則を定める(愛媛県布達達書)
   12・14 小学校授業料を定め,高等小学校は1か月10銭以上1円以下,尋常小学
       校は同5銭以上70銭以下とする(愛媛県布達達書)
   12・14 学事の改良を図るため,郡長が開設する学事集会規則を定める(愛媛県布
       達達書)
   12・14 小学教科書・授業方法研究のための教務研究会準則を定める(愛媛県布達
       達書)
   この年 筆岡の松翁編による俳句集「玉藻集」刊行(香川県文学史年表)
   この年 愛媛県讃岐国の本籍人口64万8191人(香川県人口移動調査報告)
   この年 讃岐国の伝染病患者数( )内は死亡者数.赤痢1227(338)コレラ2514
       (1695)腸チフス1587(303)発疹チフス43(14)痘瘡1030(177)ジフ
       テリア48(22)(明・香川県史)