図書館かがわ no.68(14K)

入力に使用した資料
 資料名 「図書館かがわ」No.68
 編集者 香川県立図書館
 発行者 同上
 発行年 平成12年6月1日

入力者:香川県立図書館
校正者:同上
登録日:2000年10月1日
      

図書館かがわ
  
2000・6・1  No.68 (香川県立図書館報)

 ευρεσιζ(発見)





                              [#写真が入る]





       『Alice's Adventures Under Ground』

 「21世紀に、持ってゆくもの。」というフレーズを見かけた。

 もし、持って行きたいもののリストを作るとしたら、何が入るだろうか。<愛着を持
つ>という人類の性癖を考えると、中身はなかなか楽しいものになりそうだ。世界中で
親しまれてきたアリスのお話も、根強いファンが多いのでは。異論があってもリストに
はぜひ加えたい。
今年は「子ども読書年」。
 さて、何を抱えて21世紀の子どもたちに会いに行こうか。

写真はアリス・リデルに贈られた、ルイス・キャロルによる「手書き刊本」の完全復刻
本。1865年に、加筆、テニエルの挿し絵で『不思議の国のアリス』と題し刊行され
る。
 19×12cm 1987年 書籍情報社発行(930 C17 5)
 (左)復刻本の表紙
 (右)大英図書館所蔵の自筆原稿(『Souvenir guide』より)


               図書館業務あれこれ

 県立図書館の昨年度の入館者数は、49万2千人、一日平均にすると1千800人とな
っています。これは平均の数値ですので、多くなる夏場とか昼間の時間帯には、途切れる
ことなく利用者が入館しているという状況になります。大変うれしいことです。
  ところで、図書館業務について、ちょっと触れてみたいと思います。
  一番よく目にすることは、図書・CD等の貸出し・返却、予約、貸出しカードの登録な
どのカウンターサービス、コピーサービスなどがあります。これも昨年度の数値ですが、
貸出し冊数55万7千冊、一日平均2千冊です。入館者数同様、相当混雑している時期・
時間帯のあることが想像できます。一方、利用者の目に届かない裏方業務として、例えば、
利用者が図書館に来られ、調べたい本、読みたい本、最新情報を知りたいと思ったとき、
常にスムーズに、しかも簡単に探し出せることが必要です。そのための作業として返却図
書の迅速な配架、開架図書の配列整理、新聞・雑誌等の最新のものへの入れ替えなどがあ
ります。従ってこれらは毎朝のかかせない業務となっています。ただ、時間的制約もあり
完全にはいきません。毎週月曜日の休館日にもこれらの書架管理の作業日とし、サービス
の低下にはならないよう努めています。
 なお、休館日には、他にコンピュータ処理に伴うデータ保守の特別作業が定例業務とし
てあります。
 次に、図書館のソフト面の充実を図る図書資料の収集・受入れ、それに伴うコンピュー
タ登録等です。年間約3万点の処理を行っています。

 さらに、広域にわたるネットワークシステムの構築による他の図書館への支援・協力依
頼・相互貸借などが重要業務としてあります。
 まだまだ多くありますが、信頼される図書館のためには裏方業務の充実が欠かせず、職
員は毎日慌ただしく動きまわっています。
                    香川県立図書館副館長 真鍋隆幸


        レファレンス日誌から「一つ、二つ、三つ、・・・」

「井戸の数え方は?一基、二基というの?」ある図書館からの問い合わせ。あちらでもい
ろいろ調べたが、わからないらしい。
 まず「単位の辞典」を見る。『一基、二基』と数えるものには、灯台、灯ろう、モータ
ーロケット、などがあるのだが、肝心の「井戸」は見つからない。「それなら」と、井戸
や地下水の資料を調べると、『一本』という表現があった。これかな?

 ある量を表すとき基準となる量を「単位」という。「単位の辞典」には、さまざまな「
単位」がある。m(メートル)、g(グラム)、s(秒)、℃(度)・・・など。人間が
考えた最初の単位は「時間」だといわれている。
 それとは別に、日常的に物を数えるのに使っている言葉がある。兎は一羽、蛸・いかは
一杯、箸は一膳、あるいは、和歌は一首、俳句・川柳は一句、・・・など。これらもみな
「単位」の表現である。
 「単位の小事典」によると、私たちは朝起きてから夜寝るまでに、およそ四、五十の単
位と知らず知らずにつき合って暮らしているという。
 ふだんは何気なく使っているが、いざ「正確に」となるとむずかしい。

 参考文献
  「単位の辞典」ラテイス
  「図解単位の歴史辞典」柏書房
  「単位の小事典」岩波書店
  「単位の起源事典」東京書籍


             図 書 館 の 本 棚
                ~図書館法~              

 4月30日は図書館記念日。昭和25年のこの日、「 公共図書館の設置および運営に
関する法律が公布された。当時新しい図書館づくりを目指す館界にあって、拠り所となる
法律の整備が最大の関心事だったことは間違いなく、昭和24年4月に復刊された当館報
第1号も、「公共図書館法案」の骨子を、一日も早い法案の通過を念願するとの結びとと
もに掲載している。以降、昨年7月の「地方分権推進一括法」を含め13回の改正がなさ
れてきた。
 図書館法では図書館を、「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、
一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的と
する施設(略)」と定義している。私たちが仕事や日常生活で必要な情報を、無料で入手
できるようにつくられた処。そのために多様で膨大な資料を蓄積し、利用しやすいように
加工、保存している施設。趣味としての読書以外に、知る機会を提供する施設といえます。
 昭和22年3月末の調査では、全国に1,547館、総蔵書数8,935千冊で、とて
も文化国家とはいえないといわれた図書館も、平成10年には2,524館、263,1
21千冊までに増加。しかし、設置数ではまだ全国の自治体の半分程度です。
 今年、図書館法は制定50周年を迎えた。

★一 般★
 「図書館法成立史資料」 裏田武夫・小川剛編著 0112 U1
 「図書館法を読む」 日本図書館協会 0112 M1 1-2
 「図書館法研究」 日本図書館協会 0112 N1 2
 「図書館法規基準総覧」 日本図書館協会 0112 T1
 「図書館法制定50周年とこれからの図書館」 図書館雑誌 2000年4月号 

★郷 土★
 「香川県図書館史」 熊野勝祥著 K0102 K1 2 
 「椎名六郎先生図書館学論文集」 椎名六郎著 K0104 S1
 
★児 童★
 「図書館・公民館」(シリーズくらしと地方行政③)
リブリオ出版 310 K2 1-3 
 「図書館・公民館・児童館」(シリーズくらしと地方行政⑥)
リブリオ出版 310 M1 1-6
 「図書館ってなんだろう」(調べにやくだつ図書館シリーズ①)
ポプラ社 010 S2 1-1
 「図書館のしくみ」(調べにやくだつ図書館シリーズ②)
ポプラ社 010 S2 1-2


             "今年は子ども読書年です"

 去年の8月、国会において西暦2000年を「子ども読書年」とすること議決されま
した。子どもの心が病んでいる、乾いているといわれる今、本との出会いによって子ど
もの心を潤すため、子どもの読書活動を国をあげて応援しようというものです。
これらの催しを通して、子どもたちだけでなく、大人の方にも子どもの本について知っ
てもらい、興味を持っていただけたらと思っています。
 なお、子ども読書年後半には、精神科医の香山リカと児童図書研究者の赤木かん子氏
による子ども読書年記念講演・対談(10月29日)、平和と寛容をテーマにした国際
絵本展「ハロー・ディア・エネミー!」(11月14日~26日)などを開催します。
たくさんの皆様のご参加をお待ちしております。
―子ども読書年シンボルマーク―
*デザインは高松工芸高校の池田和代さんです。

               お 知 ら せ

・CDの貸出点数・期間の変更について
  4月1日よりCD・カセットテープの貸出点数が2点以内、貸出期間が15日にな
りました。
・休館日の変更について
年末年始の休館日が12月29日~翌年1月3日になります。
・県民ギャラリーの開催について
  当館1階展示コーナーにおきまして、生涯学習活動の成果を発表する場として県民
の皆様にご利用いただける「県民ギャラリー」を開催します。
 期間は5月23日(火)~11月12日(日)です。

              平成11年度利用統計

 平成11年度は、前年度に比べ、入館者数、個人貸出冊数の増加をはじめとして、
利用は全般に伸びています。
 また、相互貸借やインターネットを利用した検索も着実に増加しています。

開館日数          276日  相互貸借
 入館者数      492,309人   貸出
 個人貸出                  件数       1,241件
  11年度末登録者数 92,325人    冊数       2,240冊
  貸出冊数     556,879冊   借受
 児童団体貸出                件数          23件
  団体数            9団体   冊数          58冊
  貸出冊数         190冊  参考調査
 巡回文庫配本               口頭        7,083件
  団体数           61団体  電話        2,531件
  貸出冊数      33,175冊   文書          152件
 巡回文庫長期貸出              計        9,766件
  団体数            9団体 AVブース利用件数
  貸出冊数       3,557冊   音声          551件
                      映像        7,501件
                     オンライン検索件数
                      図書館ネットワーク 2,246件
                      インターネット  21,671件

編集・発行  香川県立図書館、(財)香川県立図書館・文書館管理財団
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                 (香川インテリジェントパーク内)
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